ゲーマー回顧録

雑食ゲーマーが色々語る

【Outer Wilds】プレイヤーの経験に大きく委ねられた感想

今回はOuter Wildsについて書いていく。前半はネタバレ抜きでの感想、後半でネタバレ含むうろ覚えプレイログを記したい。

 

Outer Wildsとは

ざっくりと説明するとループ物のオープンワールド型のアドベンチャーゲーム。ゲーム開始から20分強で崩壊する太陽系の宇宙を舞台にループの謎、宇宙で何が起きているのかを明らかにしていくのが目的となる。

…なるのだが、その辺りの説明はかなり乏しく、とにかくプレイヤー側に委ねられた部分が大きい。その気になればループが始まる前に死ぬし太陽系から逃亡してもいいし焚火で焼いたマシュマロを食べて最後の20分を過ごしてもいい。最近のゲームにしては珍しいぐらいの放任主義。ただノーヒントという訳では無く、しっかり探せば(だいたい)何とかなるように出来ている。

 

www.famitsu.com日本ゲーム大賞2020でゲームデザイナーズ大賞の最終選考まで残っていた作品でもある。以前どこかのニュースサイトで見かけて以来気になっていたのだが、この他最終選考に残っていた十三機兵防衛圏とグノーシア、大賞のbaba is you のどれもが好みだった(そして感想を書こうとして途中で力尽きた)ため、ある意味この賞を信じてプレイに至った。以降で感想を述べていく。

 

推理、考察、発見

ループ物ではあるのだが、引き継がれるのはプレイヤーの経験、そしてゲーム内で明らかになった情報が航行ログとして残されるのみ。ループでアイテムを集めて次へ引き継いで…といった事はなく、とにかく得られた情報から推理し、次なる探索の地に目星をつけてまた新たな情報を求め…と地道な道のりである。ただ、その推理して新たな情報を得る過程こそが本作の面白い部分。断片的に散らばった情報の欠片から一つの物語を見出していく流れはなかなか他では味わえない。

そういった部分がメインの為、ネタバレを受けると面白さが半減どころでは無いので興味を持ったら余計な情報は仕入れない方がいいタイプのゲームである。

…ではそのネタバレを唐突にゲーム内で受けたら?

 

十人十色の経験とそこから生まれる感想の違い

もうタイトルで言いたい事は言ってしまっているのだが、とにかくこれに尽きる。前述した通り、オープンワールドであり、放任主義であり、攻略が完全に自由な本作はプレイヤーの経験がどのような物であったかによってこのゲームへの感想は大きく変わるだろう。

 

筆者は非常に運が悪く(?)中盤ぐらいでこのゲームのおおよそ全ての真相が記された場所(既プレイ者ならわかるであろう)に辿り着いてしまった。

唐突に明かされる真実。まだ分かってない事色々あった気がするんだけど…?という気分と共に流れる壮大なBGM。その割にどうすればクリア出来るのかわからない状況。ついでに迫るタイムリミット。そんなこんなで次のループへ。

同じ場所へ再度侵入する術も明らかに出来ないまま次のループが終わると何故か時空間崩壊。唐突に流れる間抜けなBGM付きの高速スタッフロール。

 

??????と疑問符で全てが埋め尽くされた筆者の気持ちを理解してくれるプレイヤーが他にいるかはわからない。何故ならこのゲームの経験は十人十色で人それぞれなのだから…。

 

かなり何とも言えない状況になってしまいだいぶやる気を失ってしまったというのが正直な感想である。その後じゃあどうすればいいのさ…という気分で宇宙をさまよい始めたので結局攻略を調べて正規エンディングに至った。

唐突なネタバレで冷めてしまったというのもあるが、宇宙空間の操作性の辛さや何が正解か分からない試行錯誤の繰り返しで飽き気味になってしまったのも攻略を見てしまった理由である。

 

という事で、このゲームを最大限楽しめるかはプレイヤーの経験に委ねられている部分が大きいのだな、というのが最終的な感想になる。上手い具合に試行錯誤がはまればすっきりするだろうし、それに従って順序良く(?)真実へ近づければより楽しめただろう。とにもかくにも自由でプレイヤーが全てな本作は、その過程をどう経験したかで全く抱く感想が変わるだろうなあと。運が悪かった。

 

逆に他のプレイヤーがどんな過程を経てエンディングへ至ったか非常に気になる所でもある。そんな気になった人の為と筆者自身の記録として以下にうろ覚えプレイログを残す。

未プレイならばここでブラウザバックしましょう。

 

 

うろ覚えプレイログ(ネタバレ込み)

宇宙を舞台にしたループ物ぐらいしか情報を仕入れていなかった状態からのスタート。始まって早々プレイヤーはヒトでは無い事に驚く。

おもちゃロケットの操作で間欠泉的な所に入れられなかったが自分は入れるのか?と気になって入ったらそのまますっ飛んで死んだ。本作は高いところから落ちると死ぬ貧弱なプレイヤーである事をここで学ぶ。どうやらプレイヤーはBBでは無いらしい。

ループが開始する前に死ぬという経験をしつつやっと宇宙へ。最初は先達が居るという近場の双子星へ向かうも流砂に巻き込まれて全てが破壊される。1敗。

ならばと今度は巨人の大海へ向かう。向かうも宇宙船の操作も怪しい上に竜巻も酷いし海だしでなかなか劣悪な滑り出し。何とか先達の所へ辿り着くも探索しようとした先に唐突な幽霊物質。2敗。

もう少し近場で安全そうな場所へ行くべきなのではと思い月の施設へ。やっと探索らしい探索をし、かつて居た種族と宇宙の眼なるものの存在を知る。なるほどこの宇宙の眼とかいうのが最終目標かとか考えながらやっとまともに太陽系の爆発でループを終える。

近場と言えば木の炉辺は?という事で探索をして見つけた謎のイバラ。やっと探査機の有用性を知ると同時にワームホール的な謎を知る。謎の鉱山的な場所で灰の双子星プロジェクトとかいうよくわからない存在を知る。ついでに量子の石を見つけるも良くわからず。

そろそろ操作にも慣れて来たし別の星に行ってみるかと脆い空洞へ。そして足元に広がるブラックホール。3敗。

脱出艇の信号を発見したりかつての生活拠点やその痕跡など、ここを探索している時が一番楽しめていた。量子の月や巡礼やらというワードが出てきて何となく量子の月経由で宇宙の眼に辿り着くのか?といった想像をしていた。そして重力砲で呼び戻した宇宙船に乗ればいいのではとしばらく乗るも何も起きずビックバン。4敗。

ここの探索でやはり邪魔になるブラックホール。相変わらず宇宙に放り出されて嘆いていると近くに施設を発見し、何と入れる事に。この辺りでどうも双子星の拠点が関係ありそうだと気付く。

量子の月というぐらいなのだから観測が関係するのだろう、と宇宙にさまよう謎の星を見たり見なかったりすると場所が変わる事にはこの辺りで気づいていた。突入を試みるもすり抜ける。ならばと探査艇で突っ込ませた状態で写真を…と撮るも何も写らない状態では観測にならないらしく(正しくは外から全体図を写すだけでいいらしい)ほぼ正解すれすれだったにも関わらず量子の月へは行けず。

諦めて双子星の地下拠点の探索へ。暗い上に砂がせり上がって来るため時間制限もきつく、全部は探索しきれないもおおよそどういう場所なのかは理解。

情報は出揃ってくるも段々どうすれば進むのかわからなくなるのがこの辺り。

イバラの事をふと思い出し謎の行方不明者の音を頼りに辿り着く。クラゲがどうこうとの事でそこに行ってみるも何の意味があるかはわからず(大海内部侵入のヒントだったらしい)。さまよった先にいるのはアンコウ。5敗。

量子の石を思い出して各所を巡ると巨人の大海で量子試練の塔を発見。予想通り観測は視界の出入りによってなされる事を確信するも先ほどの失敗があったためどう生かせばいいのかわからず。

量子の月がわからずイバラもわからず、太陽プロジェクトの名は知っていても太陽に近づけず、となると灰の双子星プロジェクトか、という事で灰の双子星へ向かう。ホワイトホール施設で見かけたワープ模様を発見するもどうやって利用するのかわからず。…分からなかったのだが、ここが全てのターニングポイント。たまたま来ていた流砂に巻き込まれて唐突なワープ。偶然にもコアへ辿り着いてしまう。大量の記録を読むとおおよそ全ての情報について語られており、まだひっかかりすらなかった部分すら含めてループの真相が全て明かされてしまった。そして操作出来る石を動かすといかにもな動きと共にコアの中心が開く。タイムリミットが迫っており焦りながらインタラクトするも何も変わらず。そのままループ終了。

次のループで再度侵入を試みるべく灰の双子星へ向かうも自動操縦させていたら太陽へ突撃。6敗。…そして表示される時空間崩壊の文字。スタッフロール。疑問符しか浮かばない状況と共に色々なやる気が失われた。

とりあえず全部攻略を見るのもな、とひとまず量子の月への行き方を調べてほぼあっていた事に気づき悲しくなる。巡礼を済ませるも宇宙の眼の観測が最終目標らしいという事ぐらいしかわからず。

じゃあどうすれば…ともうわからなくなったので色々ググり、まずはイバラ内部の脱出艇の本体へ。アンコウはジェットを使わなければいいというのは恐らく双子星地下拠点に情報があったのだろう。船本体の操作石はどう使うのか分からず。

更にググって巨人の大海中心で座標を得て、灰の双子星のコアを持ってイバラの船でワープを実行し宇宙の眼に辿り着くという流れをようやく知る。しかしそこに立ちはだかる宇宙船の操作性、アンコウ。n敗。

そんなこんなでもう早くクリアしたい…という気持ちが高まって来てやる気が相当失われていたが何とか最後のセッションを完成させ(アンコウにびびりながら)、新たなる宇宙の誕生を見届けるに至る。どっかで失ったと思ったらエンディングで飛んでいる探査機。ええ…。

n敗と記しているが実際の所思い出しきれない程色々な要因でリスタート及びループを余儀なくされているのでここに書かれている以上に操作面でのストレスを抱えていた事も記録しておく。

最後に

上手く楽しめた人がどんなプレイをしたのかぜひ知りたいものである…。

プレイヤーに委ねられた部分が大きすぎるだけで、ユニークかつ面白いゲームである事は間違いない。間違いないのだけど…というお気持ち。