ゲーマー回顧録

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ゼノブレイドシリーズについての解説【どれから遊べばいいのか】

先日のゼノブレイドDE発売に続き、6/10にゼノブレイドシリーズは10周年を迎えた。

 

この10年の間にシリーズ作品もいくつか出ており、シリーズ間の繋がりやどれから遊べばいいのかについてわかりにくい部分も出てきてると思われるので、今回はその辺りについて書いていく。

2022/2/10追記:

ついにゼノブレイド3の発売が発表された。総監督のコメントによれば単独でも楽しめるとの事なので恐らく今までのシリーズ同様シナリオは単品で完結するように出来ていると思われる。しかし、初報のPVで明らかになった情報から考えるに1,2を遊んでいた方が間違いなく楽しめると考えられるので、3が気になった人はぜひ1,2をセットで遊んで欲しい(あのモノポンもオススメしている)。

 

 

結論から言うと

シナリオ等は作品毎に独立しているので興味を持った作品から遊んで特に問題は無い。シリーズ間の繋がりは0では無いがファンサービス的な部分が大きい。というよりそれぞれけっこう毛色が違うので、単純な続編を求めると違和感を感じるかもしれない。

筆者のオススメとしては

スイッチでカタログチケットを購入してゼノブレイドディフィニティブエディションとゼノブレイド2を引き換えてディフィニティブエディション、2の順にプレイ。

さらに興味を持ったらゼノブレイドクロス

もっと興味を持ったら番外編としてゼノギアスゼノサーガ、といった具合。

あえて共通していると言えるのは物語の根幹的なテーマというべきか。ここはシリーズで一貫していると感じる。

続いてそれぞれの作品について簡単に解説していく。

 

ゼノブレイド(Wii)

www.nintendo.co.jpリンクはディフィニティブエディションのもの。

元はWiiで発売されたRPG。巨神と機神という二柱の神の骸を舞台としたかなり壮大なスケールの物語が展開される。スマブラに出演しているシュルクの出身はここ。

何と言ってもその壮大なスケールのマップの探索から熱いシナリオ、そしてそれらを盛り上げるBGMの数々。RPGに求める要素がどれも素晴らしいレベルで盛り込まれている。とてもWiiで出たとは思えないオーパーツ

ゼノブレイドシリーズを語る上で欠かせないのがマップだと個人的には認識しているのだが、本当に探索が楽しいゲームである。オープンワールドという訳ではないがけっこうな広さと密度、何よりも景観を両立したマップを歩き回れるのがとにかく楽しい。ただ歩き回れるだけではなく、ランドマークやロケーション、秘境といった名の付く地点を探して回ったりとモチベーションに繋がる要素が用意されているのがとても良い。場所によっては進行度にそぐわない強敵が待ち受けていたりと一筋縄ではいかないのがまた魅力の一つでもあるのだが、デスペナルティが全くないため気軽に散策できるのもまた良い点。この辺りは後継のシリーズでも同じ仕様である。

シナリオは他のシリーズ作品に比べると重め。この辺は公式サイトでも確認してもらった方が早いが、復讐劇がベースとなっている。こんな記事でネタバレもしたくないのであまり書かないが、分かりやすさと熱さを兼ね備えた作り。

BGMもとにかく素晴らしい。名を冠する者たちや機の律動、ガウル平原や敵との対峙など名曲揃い。シナリオの展開、戦闘やフィールドの探索を更に盛り上げてくれる。こればかりは聞いてみるのが一番だと思うがyoutubeのリコメンドの仕様上そういった動画を見ると関連動画でネタバレを踏みやすくなる…。公式サイトで試聴が無難。

戦闘は少し古いMMOチックなロール制のリアルタイムなコマンド戦闘である。盾役や攻撃役といった戦闘における役割をある程度分担し、ヘイトという敵のターゲット操作を主体としたもの。ゲーム内チュートリアルがしっかりしているのでやっている内にわかる…と思う。多分。他のシリーズ作品も含め特徴的なのが、シナリオ上の設定と深く結びついた要素が盛り込まれている点である。本作では”未来視”という敵の危険な行動を事前に察知する事が出来るシステムが盛り込まれており、これに対処する事でより有利に…といった具合。

総じて若干の古さはあるものの全体が高いレベルでまとまっているのでまずオススメ。逆に言うとシリーズ作品の中ではだいぶお行儀がよい方である…。かつて存在した投票チャンネルというプレイしたユーザーからの評価を集計する公式のサービスでずっとプラチナという最高評価を維持し続けていた。

ゼノブレイド(New3DS版)

New3DS限定のソフトとして移植されたもの。携帯機用にグラフィック等調整されているがベースは同じ。一部のキャラモデルが見れるギャラリーモードがついている。

ゼノブレイド(Wii U)

Wii Uで遊べるダウンロード版のWiiソフトとして移植。特に変更点は無い。

ゼノブレイドディフィニティブエディション(nintendo switch

スイッチで発売されたリマスター版。特に理由が無い限りこれをプレイするべき。シナリオ等に変更は無いが、ただのリマスターではなくUI等も一新されておりリメイクに近いものがある。本編の後日譚となる繋がる未来という作品も同梱されている。

 

ゼノブレイドクロス(Wii U)

xenobladex.jp

ゼノブレイドシリーズ2作目。Wii Uで発売された。他2作とはだいぶ雰囲気が異なるガチガチのSFで、惑星ミラという異郷の地を探索していくオープンワールドゲーム。これまたWii Uで出たとは思えないオーパーツ。メモリ1GBで動いてるらしいですよ?

クロスと題されているがどの辺りがクロスしているのかはプレイ済みの人間でもわからない。そのためこれも他のシリーズと関係なく遊ぶ事が出来る。ファンサービスの雰囲気で前作との関連をにおわせる発言等はいくつかあるが真相は全て闇の中。

惑星ミラという惑星一つを探索する、という文字通りの規模で前作の比ではない広大かつ密度の高いマップで物語は進行する。オープンワールドゲームなので当然ながら最序盤でも本拠地からラスボスレベルに強い敵がうじゃうじゃ居る場所まで完全に自由に行動できる。5年前の作品ではあるものの今見ても見劣りしないほど惑星ミラは美しい。雰囲気の違う5つの大陸、ころころと変わる天候や時間との組み合わせでミラは様々な景観を見せてくれるだろう。プレイ済みならゼルダの伝説ブレスオブザワイルドを思い浮かべてもらえばだいたいのイメージが付くと思われるのだが、マップには祠のようにデータプローブという各地の目印を設置するための地点があり、そこを巡る事で惑星ミラの全容を明らかにしていく。入り組んだ地形や強敵が居たりでそう簡単にはいかないのだがそこを何とかするのが楽しい。

ゼノブレイドクロスの最大の特徴は前述の惑星ミラを生身のみならずドールという巨大ロボットに乗って探索出来る事であろう。ドールで歩く事も、車両形態に変形させてドライブする事も、そして終盤では空も飛べる。生身とドール搭乗はリアルタイムで切り替えが出来てなおかつ制限は一切ない。これがゼノブレイドクロスをオンリーワンとしている要素である。

戦闘においてこのドールを使う事も、生身のまま戦う事も自由である。ロボットという事もあり強さ的にそちらの方だけになるのでは?と思うかもしれないが実際のところそれぞれに長所短所がありプレイヤーに委ねられている。その自由度、懐の深さもまた魅力である。

戦闘システムは無印からロール制をだいぶ緩く無くし、攻撃偏重にしたような形。ドール、生身共に使用できるオーバークロックギアというシステムはゼノブレイドクロスの戦闘を語る上で欠かせない。このシステムは使用するとオーバークロックの名の通りゲームスピードが跳ね上がり、火力も跳ね上がり、とにかくインフレとそれに伴うアドレナリンやらなにやらが噴出するのを楽しめるようになっている。ただそれを楽しむには戦闘システムの理解が必要なのに対してゲーム内説明が非常に残念な事になっている…。電子説明書やネット上での解説が詳しいので一応大丈夫。やりこみだすと凄まじい事になるのは先人達が示してくれている。

BGMは澤野弘之氏が全て担当しており、ボーカル入りの曲が多め。オーバードと呼ばれる強敵との闘いで流れるUncontollableや前述のオーバークロックギア発動時に流れるWir fliegenなど名曲揃い。拠点のBGMは…ロサンゼルスモデルだしあんな雰囲気でもいいと思う。

恐らくゼノブレイドクロスについて調べると真っ先に出て来るであろうはシナリオについてだろう。オープンワールドという事もあり、シナリオ主導というよりもプレイヤーがミラで何をするかに重きが置かれている都合上仕方ないとも言えるのだが、伏線や謎は大分放置されたままメインシナリオが終わるのは事実である。ただ、その不満を吹き飛ばすぐらい魅力に満ち溢れた世界であるのもまた事実。特にサブクエストで描かれる異星人との交流やミラで起こる様々な出来事、そういったものを見て行く内にこのゲームのシナリオの本筋は惑星ミラで生きて行く事そのものだと気付くはず。数々の名(迷?)クエストが存在するのでメインだけではなくそちらにも注目して欲しい。…とそれっぽい事を書いたが真相が知りたいのでやっぱり続編か何かをどうかよろしくお願いいたします。

今のところ移植等は存在しないので遊ぶにはWii Uが必要というのがある種一番高いハードルだがそれだけの価値はあると信じている。

(完全に余談だがWii Uのソフトはけっこうスイッチに移植という形でサルベージされている。ただ過去のソフトを遊ぶに当たり、Wiiのダウンロード版やディスク版が起動可能な点、加えてヴァーチャルコンソールが非常に充実しているのでそういう用途も見越して買うのはありだと思う。ただしゼノクロを遊ぼうと思うなら恐らく投げ売りのディスク版を買うと思うのだが、その際注意して欲しいのがロード時間短縮のためにいくつか追加ダウンロードが必要になる点である。Wii Uの本体メモリーが32GBの方でないとそのダウンロードの為の容量が足りないので外付けHDDが必要になるのは注意して欲しい。ちなみにこの追加ダウンロードはしなくても遊べる。)

 

ゼノブレイド2(nintendo switch)

www.nintendo.co.jp

スイッチで発売されたシリーズ作品3作目。2とはついているものの世界観キャラクター諸々完全に別物で続編ではない。無印から2でもその逆の順でも楽しめる。

フィールドの探索は相変わらず楽しいものとなっており、無印に比べるとだいぶ立体的な作りになっていて慣れない内は迷う。

シナリオの雰囲気は無印よりかは比較的明るいというか前向きな王道を往くボーイミーツガール。こちらも詳しくは公式サイトで。ちなみによくTwitterで出回っていたギャグシーンはほんの一部なので安心して欲しい。後半の盛り上がりが本当に凄まじいジェットコースター。重要なイベントシーンは量も質ももはや3Dアニメ。数々の名曲で更に盛り上がる。キャラクターの心情についてかなり考察しがいのある演出が多く、そういう部分でも楽しめると思う。

BGMは無印から時間も経っている事もあり更にパワーアップ。イベントの要所で流れるCounterattackは最高。フィールド曲を聴くためだけに歩き回れる。前作までと比べて戦闘用BGMの数がとても増えており、ボス専用曲等含めて10曲を余裕で超える。どれもこれもシナリオの展開、戦闘の展開と相まってテンションが非常に上がる。なお、コンポーザーはほぼ同じメンバーである(2では下村陽子氏が参加していないが、光田康典氏担当の曲がかなり増えている)。無印のイメージを踏襲した曲もありそういった点からも楽しめる。

本作の特徴は何と言ってもブレイドシステムだろう。本作にはブレイドと呼ばれる亜種生命体(人型から獣、よくわからないボール状の物まで多数)が存在し、彼らと協力して戦闘やらなにやらを進めて行く。そして、このブレイドの中でもレアブレイドと呼ばれるユニークなブレイドは様々なイラストレーターによってデザインされたものが存在し、それらが非常に高いクオリティで3Dモデルになっている。ただしそのレアブレイドの入手は大半がゲーム内ガチャであるブレイド同調というシステムで行う…。早い話がソシャゲのそれなのだが、全てゲーム内で完結しているので安心して欲しい。それはどうなんだと筆者も思ったのだが遊んでみるとそれはそれで楽しいと気付く。きっとお気に入りのブレイドが見つかるはず。…でもやっぱりコンプリートを目指すとなかなかお辛い。

戦闘は無印から更に発展したような形。ロール制に加えて前述のブレイドを切り替えながら戦うものとなっており、戦術や状況に応じたブレイドのセッティング、チェンジが重要となる。必殺技などケレン味のある演出もあり、上手く行った時の気持ち良さは無印の比ではない。複雑と言えば複雑だし単純と言えば単純。だいぶスピーディーでRPG以上アクション未満の雰囲気。なぜかゲーム内でのTipsを後から見直せない謎仕様で退化しているのでスクリーンショットを撮るなどしましょう。

総じて、無印とは雰囲気は異なるものの、全体的にパワーアップしていると言える。実際発表された当時、余りにも前作までと雰囲気が違うため筆者も困惑したのだが、プレイしてみれば間違いなくゼノブレイドシリーズであった。絵柄等に拒否感が無ければぜひ無印とセットで。ブレイドとしてゼノサーガからコスモス、テロス、DLCでは無印の主人公であるシュルクやフィオルン、クロスの主役のエルマも参加し、更には未来視やオーバークロックギアと戦闘システムまで持ってくるので実にファンサービスに溢れた作品でもある。

ゼノブレイド2~黄金の国イーラ~

www.nintendo.co.jp

こちらはゼノブレイド2のDLCとして、そして何と単品のパッケージソフトとして販売された追加シナリオ。追加シナリオにも関わらずパッケージが販売された辺りで察して欲しいのだが、システム等ほぼ一新の新作同然の作品である。本編とは異なりブレイドも含め完全に固定のメンバーで進行する本編の過去を描いたシナリオとなる。本編で行われる回想をベースに話が進むが、ゲーム自体は完全に独立しており本編の前にこちらから遊ぶ事も可能。シナリオ的にも過去の話という事もあって全く問題がない。無印に雰囲気が近いので案外こちらから遊ぶ方が導入的には面白いかもしれない。こちらを遊ぶと本編の理解がより深まる良いシナリオである。

DLCという部分に嫌悪感を抱く人もいるかもしれないが、はっきり言ってこれをDLCで出していいのかというレベルの作り。そもそもこの追加シナリオのみならず本編にも追加のブレイドややりこみ要素のチャレンジバトルというモードが追加された上でこのイーラが遊べるのでお値段以上とかそういうレベルではない。本編を遊んで気に入ったらマストバイ。

購入に関しては、ゼノブレイド2本編を持っている場合はDLCのシーズンパスを購入すると他の特典と共に入手出来る。単体のパッケージ版を購入した場合そのまま遊べるのと、後からゼノブレイド2本編で使えるDLCの引き換えコードが同封されている(中古パッケージの場合はDLCコードがアクティベート済みで使えない可能性があるので注意)。

 

番外編~ゼノシリーズとの関連~

ゼノブレイドシリーズとは言うものの、ゼノの名を冠するのはゼノギアスゼノサーガと他にもあるわけで、何かしら関連性があるのかと興味を持つ人もいるだろう。結論から言えば版権等の都合でそのままでないにせよ若干あると思われる。同名別人の人物としてヴァンダム(ヴァンダーカム)というキャラクターが出ていたり、刀を持ったやたら強い和風キャラが居たりといったファンサービス。どのシリーズ作品でもなんらかの形でロボットが出て来たり。

そして何よりゼノブレイド10周年イラストを見てもらえばわかるのだが、中央奥に鎮座するのは…。

以下若干のネタバレ含むので反転

ゼノブレイド2の終盤においてゲートという名で登場するもののもはやそのままゾハルと言って差し支えない存在が世界の根幹に関わっている事が判明し、事象変移に近い現象を起こしている。加えてゼノブレイド2のフィギュア解説文にはゲートについて述べられているのだがその設定が発見からスレイブジェネレータの存在までほぼそのまま。堂々と10周年イラストに鎮座している辺り今後も何かしらありそうである…。

反転終わり

個人的にゼノブレイド2はゼノギアスを現代風に再解釈したシナリオだと思っているので興味があればぜひ。

 

 

という事で以上シリーズ3作についての解説である。少しでも興味があったらぜひプレイして欲しい作品ばかり。それぞれ割りと毛色が違うので気になったものからプレイしましょう。