ゲーマー回顧録

雑食ゲーマーが色々語る

【ゼノブレイド3】クリア後の感想、考察

先日ゼノブレイド3をクリアしたので感想やら考察やらを書いて行きたい。プレイ状況は全部ハードでのプレイ、100時間越えでヒーロー全加入、サブクエストは一部未回収といった度合いである。

当然ながらネタバレを含むので未クリアプレイならば今すぐブラウザバックしてカタログチケットを買って自分の目でその結末を確かめよう。

 

 

終わり良ければ全て良し…

クリアしてエンディング、モノリスソフトのロゴからエピローグのワンシーンまで見た瞬間の感想として正直な所を述べると、何とも言えないもやもやした感覚があった。色々な言葉が浮かんできたが、一つに絞るなら”終わり良ければ全て良し”である。1,2の要素を大きく巻き込んでの集大成、一つの区切りとしてのクラウス3部作の終わりがこれなのか?と。2の時点で構想があった後付けでは無い3としての終わりがこれなのか?と。

前置きはこのくらいにして、各要素の感想だとかなぜこの終わり良ければ…という感想に至ったかなどについて書いて行く。

 

過去一山盛りなバトルシステム

シリーズ最多の6+1の7人バトル。ここに新規要素としてクラスにフィールドアーツにアーツの融合、インタリンク、チェインアタックにと本当に山盛りだった。ムービーからのシームレスな戦闘は流れとして非常に良かったし、豊富なチュートリアルやTIPSで遊びやすさもだいぶ良くなっていた。

特色豊かなクラスとカスタマイズ

ヒーローと結びつく形で様々なクラスが増え、それらが制限無くどのキャラクターでも使えるというのは2のブレイドシステムから更に発展して自由度が高くなったなと感じる。ただ、逆にクラス適正の差はあれど誰でも同じで2のようにアーツ性能が変わるという事も無かったのでキャラの個性は無くなったようにも感じた。その部分はウロボロスでという事なのだろう。インタリンクするとヘイトは引き継がずヒールも限られる事から誰をどのロールにするのかというのはなかなか選びがいがある。フルメタジャガーやローンエグザイルといった1やクロス要素もあったのは嬉しい所。マスターアーツ、スキルの組み合わせも膨大でその辺りのカスタマイズはかなり楽しかった。しかし、進行度によってはロールやコンボ用アーツの偏りが気になった所。特にディフェンダーは最後まで少ない。ソウルハッカーはついにラーニング系を出してきたかと驚いた。ただ出すタイミングがね…。組み合わせも自由なのでどのロールを多めにするかでプレイの幅がある。あるのだが後述する理由でハードではヒラ多めでないとかなり苦しかった。

ジェムも一度作れば良く、専用UIでどこまで作ったかはっきり分かるので、かなりすっきりとしていて非常に良かった。その反面アクセサリーは種類が豊富でカスタマイズは楽しいものの、クラス変更ごとに変えるに当たりソートが最悪なので面倒だったのはどうしようもない。効果ソートすらないので2よりなぜか劣化している。せめてカテゴリタブをくれ。

だいぶ微妙なAI

今回の戦闘AIは過去一酷いと思う。要素が多い為仕方ない部分はあるとは思うが…。その代わり6人全員操作出来るからなんとかしてねという事なのだろうが、今作は位置取りが非常に重要なのに対し、自分が手を離した隙にAIがどこかへ行ってしまうのでストレスがやばかった。基本的にディフェンダーがAAを受け、アタッカーが横後ろと特攻でダメージを出し、ヒーラーはそれらを回復したりフィールドでバフをかけたりとなる。しかし、ここでこの酷いAIがかなり響いて来る。まずディフェンダーはパーティに作用する防御フィールドを持っているので固まるのが有利なのだがとにかく距離を取りたがる。ヒーラーの回復は範囲(リジェネバフもあるにはあるが)しかなく、ヒールもフィールドバフの範囲もそこまで広くない。加えてアタッカーは遠い所で特攻を取りに行き範囲攻撃は普通に食らう。おまけに遠距離武器はやたらと距離を取りたがる。するとどうなるか。ディフェンダーの防御スキルは意味を成さず、ヒーラーは距離を取るアタッカーの回復の為にぴょんぴょんしながら良く分からない位置にフィールドを出すし、アタッカーは瀕死だろうがなんだろうが回復を貰おうともしない(まさかこんな所でFF14と同じイラつき方をするとは思わなかった)。そうなるとヒーラーの回復は全体に届かない為AAの回復が追い付かずディフェンダーは死に、自身も動き回る為にアグヌスリキャストも回らない。アタッカーも当然ながらヒール不足で死んでリキャストを失うしフィールドバフも意味を成さない。これをなんとかするためひたすら自操作でなんとかするのだが、なんとかしている間に残り5+1人が謎の動きに戻っているのである。もちろん範囲攻撃は距離を取ったり前方などに居なければ避けられるものもあるのだが、即死しない限りは全てディフェンダーの防御スキル内やフィールドで受けて全員まとめて回復した方が早いし攻撃系フィールドバフの恩恵も受けやすい。従って最高効率としては可能な限り真正面で全部のバフを掛け合って団子状態になる事というのが、システムの設計ミス感がある。今作は今まで以上にディフェンダーの存在が重要なのに対し今までより存在感が無かったというか要するにいまいちダメージが出せないせいでヘイト維持が苦しかったりとなんとも言えない感。

で、ハードだとヒール量が足りず普通にAAでディフェンダーが死ぬので前述したようにアタッカーのお守りなどしている暇がない。その結果最終的に選んだ戦術はゾンビ戦法である。ヒーラーを3か4人にし、助け起こしの速度及び回復量アップのジェム、助け起こし時にリキャスト回復、ダメ押しで思い出のロケットをディフェンダーに持たせる。全体的にダメダメなAIだが、助け起こしの反応速度精度だけはプレイヤーを遥かに上回っているので、これで誰かが倒れても即座に起き上がって回復アーツのリキャストも回るという訳である。倒れたキャラを生贄に回復アーツ回転率を上げる魔術である。結局の所インタリンクやチェインアタックの方がダメージが出るので、後は適当に前方に固めてひたすらリキャストが回ったアーツをぶっぱするという。助け起こしはチェインゲージも溜まるので一石二鳥。ここまで書いてなんだが、多分ノーマルの方が楽しめた説がある。各種ゲージや回復量など色々な所にマイナス補正がかかっている調整らしいので正直微妙。

打って変わって単調過ぎるインタリンク

ウロボロスのデザインはすごく好きだし、ダイレクトを見ていなかったのでアグヌスウロボロスにも衝撃を受けた。ムービー内でのアクションも素晴らしい。しかし、その割にバトル内でのインタリンクは単調過ぎたように感じる。ただ制限時間いっぱいアーツを撃ち続けるだけ。もちろんインタリンク自体をどこで切るか問題はあるのだがそれも前述したゾンビ戦法だとレベルが上がったら、クールタイムが上がったら切ればいいという感じ。雑魚なら開幕でぶっぱすれば終わる。これもAIがお粗末でインタリンクレベル消費がもったいないので全部自分で管理、つまりインタリンクレベルが上がった順に使うだけという。

格差もまあまああったように感じた。ノアミオはほぼノアがモーションの早いアーツを連打してタレントを押すだけでミオウロボロスの存在感が無かった。一応回避アーツはあるので見えたら使っていたが。ユーニタイオンはこれだけ別格で2人の意味があったというか、ソウルリンクでバフデバフでダメージアップを付ける事でお互いにバフやデバフを付与しあう事に意味があったり、加えて微塵隠れのスイッチキャンセルが異常に強く、モーション開始の瞬間にダメージを発生させながらスイッチ出来てしまう事から両方活用している感じはあった。というよりこの二人だけ異常に強く、タイオンはレベル0から50-60レベルぐらいで3,40000ダメージを範囲にブローと回避とおまけに炎熱と、ユーニは常時スリップダメージ付きの回避をスイッチキャンセルにより超高効率かつ燃費良く(スイッチ中はヒートゲージが上昇しない)回せるので中盤辺りでこの強さに気づいてからほぼこれだけで戦っていた記憶。タイオンが後ろに下がるのをスイッチでキャンセルしてユーニが前に回転するというバランス感覚。ラッキーセブンという公式チートを除けばこれが最強ではないかと思っている。ランツセナもまあまあ微妙というか、ランツは倍率は悪くないがモーションが遅すぎてユーニタイオンでいいなという感じ。タレントはレジストされると泣ける。単体ならセナがブローノックバックで完封レベルなのだがこれもモーションの遅さからユーニタイオンでいいなという感じ。ブレイクだけは偉い。

移動が遅いせいでブロー等を受けると敵までのそのそ歩くのがテンポも悪くダサいと感じたのは筆者だけではないはず。クイックムーブさせてくれ…。

楽しいけど長いチェインアタック

チェインアタックは今まで同様時間を止めて手順を考えて使うものになっていたが、今作はTPとオーダーの組み合わせで工夫のし甲斐があり楽しいものとなっていた。序盤はアタッカーのTPを育てつつ、後半は100を超えないようにうまく調整しながらなるべくアタッカーの手番を増やすと。そこに勢力ロール、個人毎の初期TP差(賢さの格差とも言う)もあり、編成をころころ変える本作の仕様と相まって色々と試すのが面白かった。ハードだとここも倍率上昇に補正がかかっていたようで、恐らく半減されている。その為なかなかうまくこれだけで全部削りきるというのは難しかったが、どうやら聞くところによるとアタッカーのスマッシュを絡めると異様なダメージになるらしい。ブレイクがなかなか通らない事もあったりライジング補正掛けて殴る方がいいのではとか考えてスマッシュは全然していなかったのでもったいない…。では何をしていたかと言うと、前述したユーニタイオンのスキルを活かし、バフデバフをかけた状態のウロボロスオーダーをバフデバフが切れる前にさっさと終わらせるという戦術である。後述するがチェインはとにかくテンポが悪く長いので、時短かつかなりのダメージを稼げるこの戦術は重宝した。

楽しいには楽しいのだが、せっかくのBGMに割り込んで上書きする事、そして演出が冗長で長い事も相まって後半余裕がある時はゲージがあっても使わず削りきるようになっていた。BGMは好きだし、ラスボスでは最後のフェーズだけ上書きという仕様は良かったがそれでも毎度上書きはなあ…といった所。特に今作はHPが減るとBGMが変わる仕様もあったにも関わらず、後半を一気にすっ飛ばすチェインの使い所と噛み合っていなかったのでは?と思わずにはいられない。演出については、オーダー完遂時の攻撃はまさしく2の必殺技カットインのようなものではあるのだが、攻撃終わりに前作のチョウシンセイダウンなどの合いの手が入っていたタイミングで謎の間があるというか、決め技の割にすっきりしない感がすごかった。モーションの冗長さとこの謎の間というか切れの悪さのせいでテンポはかなり悪かったと思う。

質と量の両方を兼ね備えたサブクエスト、ヒーロー

今作も物量は本当にとんでもない量で、その上どれも質が高いのだからすごい。フィールドについては後述するが、その寄り道によってヒーロー、コロニー、そしてそこから発生するクエストととにかく連鎖的に遊びが増えていく。ヒーローはまさしく前作のブレイドを発展させてガチャではなくサブクエストに絡める形での加入としたもので、皆個性的かつ加入だけで終わらないヒーロークエストも、そこから発展していくコロニーの関係を見るのも面白かった。加えて、キズナグラムが復活した事もあり、その関係性がどんどん変化して思わぬところで繋がりが、キズナが出来ていくのが面白く非常に良かった。本編だけではなくこれらサブクエスト群もしっかりと作られているおかげで主人公たちの堀り下げにも繋がっているのがなお良い。特にタイオンとかタイオンとか。

ヒーローで誰が一番好きかと問われるとどれもいいキャラをしているだけになかなか選び難い。今作はロボ娘成分が不足していないか?と思っていたら最後の最後でナギリが加入してくれて歓喜。なお別にロボでも何でもなくファッションロボの模様。芋大好きになってしまったゼオンも戦いだけではなく自らの手で生活を築いていくというクエスト含めて良かったし、まさかのメビウスなトライデンもなかなか。三番勝負に4回戦はあるし男に二言はないがおかわりはするし海の男なので理不尽パンチもする。シドウは覚醒クエストがメビウスジーの行動や生き残りの強烈な熱演(オウガアアアアアイ)含め味わい深い。グレイは愛妻家というか奥さん怖いよ…。アシェラはイケメン過ぎるというかもうユーニがね…タイオン見てるか?まさかのニイナさんじゅうろくさい。イスルギは本編でのそれもさることながらまさかの覚醒クエストが…というかラムダの日本企業的雰囲気はなんなんだ。

本編がとにもかくにもシリアスだっただけにちょうど良い空気感の物が多くバラエティ豊かで本当に楽しかった。全部はまだ終わらせていないが、やはりこれをやっているかどうかで主人公達やアイオニオンへの入れ込み具合はかなり変わってくるだろうとは思う。後述するがそれだけにあの結末がね…。筆者もメビウスになります。

過去作の要素も味わえる最大規模のフィールド

今作は本当にフィールドが広いなと思っていたのだが、どうやらその通りのようで歩ける場所は2の5倍との事。(開発者に訊きました : ゼノブレイド3|任天堂

本筋に関係ない脇道も本当に多く、新たなコロニーが待っていたり、ロケーション、秘境も豊富。コンテナは開けてもそこまで嬉しくないのはまあ…。その代わり七鉄巨神の遺産はすごい効果だったので、ここまでで無くてもいいがフロムゲーなどのようにそれなりにユニークなアイテムをもっと置いてほしいなとも思う。特に感じたのは、進んでから後ろを振り返ると開けた景観でここまで進んできた道がはっきりと映る事。コロニー4を出て崖登りをした後に振り替えると、鉄巨神や砂漠、歩いてきた丘を一望でき、ここまで来たんだなあという感慨深さが味わえた。

海ではついに船。操作性というか旋回性能が微妙なのはご愛敬。エルト海を散々泳いだ記憶が蘇る、というか恐らくエルト海とリベラリタスの辺りのミックスだろうからまあまあその通り。せっかくなので終盤は空も飛ばせて欲しかった。ウロボロスでぴょんぴょんと。

好きなエリアは、アエティアのコロニーガンマから登った所やフォーニスの丘上、ペンテランスの瀑布にととにかく来た道を一望できるエリア。今作の広さと旅路を振り返る感覚がたまらない。

過去作の要素も味わえるのは楽しいのだが、それだけにどこかで見たなという風景が多目だったのは一周回って気になった。

進化したと同時にスイッチの限界も感じるグラフィック

影の表現や表情のアニメーション、広大なフィールドを複数人出しながら一望できるだけの表示量と、グラフィックはかなり進化していたと思う。特に2,DEとどんどん良くなってきていたキャラの表現については完成形と言っても過言では無いのではないだろうか。表情についてもシリアスな描写が多い今作、ムービーでは本当に魅せるなあと。ただ、それだけに流石に発売からもう5年は経つスイッチでは性能的に厳しいのでは?という場面もそこそこあった。味方だけでなく敵も多いので微妙に不安定になる場面もあったり、せっかくの広大なフィールドの遠景もちょっとぼやけ気味というか解像度が足りていないというか。そこを追求すれば必ずしも良い訳ではないが、ここまで出来ているのだからもうちょっと欲しい気持ちにはなる。という事でそろそろスイッチの新型か何かを…出る頃には次回作来ていそう。

過去作とはまた一風変わった雰囲気のBGM

過去作のBGMはかなりメインの旋律が強めでBGMそのものを聞かせに来ている感覚があったが、今作の、特にフィールドBGMはかなりBGMに徹している感があった。今作はそういう作りなのは分かるがそれはそれとしてあまり記憶に残るフィールドBGMが無いのは寂しい。とは言え全く無い訳ではなく、1、2に関連したフィールドではそのアレンジやフレーズが入っている所やコロニー曲が好き。ただそれら全てがメニューBGMで上書きされてしまうのが…。

イベントシーンについても、命を背負っては過去一の曲だと思っているが2回しか流れず、逆に感動的なシーンで流れるおくられる命アレンジはサブクエなども含めとにかく何度も使われるので食傷気味。バランス感覚というか何というか。要するにもっと命を背負って。pvで最高!ってなったのにラスボス戦でしか流れなかったクロスのThe key we've lost的な感じだ…。もちろん微妙な場面ばかりだった訳ではなく、5話成人の儀の曲や牢屋でのボーカル曲A step awayは展開も相まって本当に素晴らしかったと思う。かなり直球でノアからミオへの曲だったなと。また、メリアニアについては登場に合わせて1,2の曲をアレンジして持って来るのは本当に最高の演出。DriftingSoul、自らの存在意義を探し求めるメツ達天の聖杯の曲だと思っていたがやはりニアの曲だった。

戦闘BGMはどれも最高だった。通常戦闘曲だと戦場で流れる曲が機の律動を彷彿とさせる旋律がたまらない。名を冠するものたちFinaleは笛が荒ぶる後半が好き。ボス戦曲も後半のイントロからの入りといい雰囲気が最高。メビウス戦はやはりケイのインパクトが一番ある。ただその強烈なプレッシャーを感じる雰囲気の曲と裏腹にほとんどのメビウスは…という感じなのでケイのインパクトが一番強いのはそういう事。でも曲は好き。インタリンク勢と戦う際は更にメビウス曲に厚みがある、要するに二人いる事を感じる曲になっているのがすごいと思う。チェインアタックは強制割込みという事を無視すればやはりテンションが上がる。エヌ戦はあの虚無という名の悲しみに満ちた雰囲気が曲からも強烈に伝わってくる。エム戦はメビウス曲に笛の旋律が入っているのがいいアレンジ。まさかDriftingSoul、戦いの刻のアレンジを持って来るとは思わなかった。特にDriftingSoulのアレンジは良過ぎてもうずるい。

何にしても早くサントラが欲しい。ゲーム中ではBGMに徹していたがゆえに印象に残らなかった曲も単品で聞くとまた変わるはず。

主人公達の印象

群像劇的な描き方をという事で全員同じくらいのセリフ量になるようにという話だったが正直ノアミオタイオン+1(ユーニにランツ要素を入れよう)の4人でも回ったのでは説がある。別に他の人物にエピソード入れたり話させても良かった、必要性が感じられなかったというか…。そうは言ってもサブクエスト周りや相談トークでの掘り下げがしっかりされていて愛着は全員に沸くつくりなのが本当に良かった。

ノア

世界の在り方に疑問を持っている時点で相当異質だなと。エヌやミオとの関係性で描写される部分が大きいというか、どうしてもかなり完璧な人間なのでノア単品の印象は薄かった。それだけに牢屋のシーンはそこからのギャップが非常に大きく、そしてエヌになる素質たっぷりだな…と。

ミオ

残り時間が短い事を恐れながらも年長者っぽいムーブをしている所が可愛い。その上で過去のおくりびとに選ばれたときの心底嫌そうな雰囲気やミヤビへの当たりの強さといった描写が人間味に溢れている。笛交換の辺りは大変表情豊か。やっぱり猫耳がずるい。1話のケヴェス勢との対峙シーン、八つ当たり命を弄ぶなパンチなど熱演がすごかった。成人の儀以降のノア呼びいいよね…。ヒロイン力が高過ぎる。究極の選択はロングにしました。

ユーニ

ガサツと言われるがせいぜい言葉使いと動作ぐらいで他はパーティの中で一番繊細まである。タイオンやアシェラなど他のメンバーとの絡みで存在感を出していた感じがある。逆にメインはディー関連が意外とあっさり終わったのでそこまででもなかったなという感じ。あと一部のアーツボイスがイケボ。

タイオン

ノアミオに次いでメインでの活躍も多くサブクエストや相談トークも面白いという鳥of鳥。序盤の嫌味な感じはどこへやら、目を覚ましたイスルギには普段通りだったと言う大人な対応、不安に揺れるユーニへの気遣い、やってやろうじゃないか!!!というトライデンの挑発への食いつき具合、コロニーラムダ圧勝のシミュレーション、謎のマフラーへのこだわり、再生ナミへの反応やある種エゴとも言えるお願いなど、印象に残ったシーンを挙げればきりがない。本当に良いキャラをしていた。事前のイメージと一番変わったし一番好きかもしれない。

ランツ

おおむねラインっぽいなと思っていたがノアを支えるポジションでありながらもちょっとベクトルが違う感じ。だいぶ調子に乗りがち。ランツに限らずどのキャラも個性が出ていて楽しいのだが、教導クエスト周りが一番面白い。あとブレイドが最高にかっこいい。大剣なのにタレットってそういう使い方出来るのか…。

セナ

お前いつも一人だな…。正直な所シャナイアに相対するポジションがゴンドウに取られがちどころかサイドストーリーは乗っ取られたのもあってメインだと何してたかな…と印象が薄い。もちろんシャナイアにならなかった違い、というのが一番良く表現されているのはセナな訳だが。1のガド絡まないカルナや2の終盤メレフぐらいの薄さ(分かりにくい)。ナギリクエストでかろうじてポジションを得ていた。そこミオでも良かったとか言わない。

メッセージ性が強く謎を残しながら終盤盛り下がるシナリオ

無理やり見出しに言いたい事を詰め込むとこうなる。本作は終始シリアスでなおかつメッセージ性の強い描写が非常に多い。過去作のような熱く盛り上がるような展開を選ばず、じっくりしっとりと魅せる演出が多いのはインタビューの内容(開発者に訊きました : ゼノブレイド3|任天堂)のわざと”らしさ”を外そうとしていたという発言から考えるに意図的な物だろうと思っている。実際、その演出の意図について考察してみると非常に奥深い描写をしているとわかる。ただ、それはそれとして過去作の要素も持ちだして集大成としたにも関わらず、肝心な要素の設定は大して語らない上に、終盤の消化試合感ある展開は意図的にしても残念だったと言わざるを得ない。これがゼノシリーズで、3というナンバリングで無ければ、過去作要素も含めた集大成という位置づけで無ければまた別の感想になっていたとも思うのだが。正直な所本編よりサブクエストが楽しかったりフィールドが超広大で、This story is never endingにならなかったクロスでは?という感はある。

という事で

  • 印象に残ったシーン(良い方も悪い方も)
  • 本作のメッセージ
  • 語られないままな設定
  • 終盤の盛り下がり

という4つの観点から書いて行く。

印象に残ったシーン

1話:オープニングの未来アカモートのシーンはいきなりそこなのかと驚いた。ここで違和感を感じたのは他3人がノアに話しかけているように見えない所。前情報が無かったヨランにだけ話しているかのようだったので、ノアとヨランの関係性に何かが…?と思った(が結局無かった)。冒頭の戦争シーンはやはり印象が強い。この世界のあり様をこれでもかと見せつけて来る。ただ正直に言えばここ以外で戦争シーンらしいシーンが無いのでアイオニオンが戦時中という感覚が薄れる。ムンバは死亡フラグを建てすぎである。メビウス登場からウロボロス発現までの流れは1,2にも劣らない強烈なフックというか、この先がどうなるのか気になる引きであった。

2話:映画館でスポットライトを当てながらの敵の密談というコテコテ過ぎて逆に何があるのかと考えていた(何もなかった)。ここのケイとの対峙から命の火時計解放は熱い展開という意味で言うとなんなら3で唯一まであるが、命を背負ってをバックに連続ウロボロス発動、文字通り命を背負う覚悟をし、ラッキーセブンを抜刀して血のような赤い結晶を噴出させながら火時計を斬る流れは本当に最高だった。熱い展開はここが最後なのはまあ今回はそういう作風だと納得している。

3話:話の半分ぐらい使ってタイオンの掘り下げになるなかなかの優遇度合い。自分の決断でナミを失ったタイオン、決断が出来ずヨランを失ったランツの対比。ナミを失った作戦を再現して窮地に追いやるイスルギにアグヌスウロボロス発現という流れは命を背負って流してもよさそうだけどあえて流さなかったのか?とも思う。ジェイの正体はここで初めて気づいた。

4話:イスルギとタイオンのやり取りいいよね…。お互い真意を分かってそうだけどそれを直接は伝えないという思いやり。おくりの意味についてタイオンの解釈、ノアの意味深なセリフ(なお特に意味はない)。エヌは3話時点でなんかノアっぽいなと思っていたがその風貌とJoranで確信した。笛交換はノアの微妙にやばい性格が見え隠れするも仲間のフォローや仲直りの仕方が大変良い。
4話となればやはりエセルカムナビは触れなくてはなるまい。なんというか、エセルカムナビの決着をつけさせたい、命を弄ぶなパンチをさせたい、オーピーでインタリンクしてノア達と戦わせたいの3つを同時にやろうとした結果事故が起きた感じがある。好意的に理解しようとすれば理解できるが納得はいかないという2の6話ネフェル周りみたいな感じ。そこまでの描写(土塊に降格した背景や言動)で何においてもエセルカムナビは決着を付けたがっていた事は分かる。しかし、そこに至るまでにコロニー想いな軍務長である事や、ノア達を希望と言い切る描写、そもそもコロニーが人質に取られているからノア達と戦いに来たという背景があり、それらを踏まえた上で執政官を無視して自分たちの事をやるか?という疑問が先に沸く。もちろんあのチャンスを逃せば後は無いし何としても決着を付けたいという理解は出来るのだろうが、それにしても先に執政官殴っていいのでは…。もっともカムナビにとどめを刺さなかったが故に土塊に降格してコロニーもそれを受け入れているので、本人もコロニーも決着への執念は凄まじかったというのは分かるのだが…。とりあえず何に優先しても決着を付けたかったという理解をしても、次に来るのが八つ当たり命を弄ぶなパンチである。あの異常な威力に説明が無いのはさておき、その前の状況は彼らが望んでやった事であり、そんな命の使い方を理解していないのは分かるが、少なくとも彼らの意思でやっている事を理解しているのは描写されている。その上で命を弄ぶなあああとオーピーに言われても…と正直あの場面は何で殴り合ってるんだという所から終始執政官に同情してしまった。とにかく、エセルカムナビ死亡のショックよりあれはなんだったんだ…という感覚。カムナビが瞳を引き抜く所で何という…と驚いた後で???という落差。ただ、一応その後コロニー11のアシェラで”命の使い方については”かなりフォローされている部分もある。ここに限らず、タウのイチカやキャッスルのクリスなんかもそうだが、やらせたい事は分かるんだけど描写が微妙だったり唐突だったりでプレイヤーが置いてきぼりになり冷めてしまうという感覚が所々にあった。
ディージェイ戦でウロボロスは人では無いのでセーフ理論でばんばん四肢欠損させられるのは正直ビビった。暫定メリアが本当にメリアという名前なのも驚いたしロボなのも驚いた。

5話:ついに大剣の麓にたどり着いた時は感動した。シティーがちゃんとシティーだった…。やはり赤ちゃんとの触れ合いシーンは印象的。ヴァンダムの言葉をただ信じてシティーまでたどり着き、命の真の在り方をここでようやく知る。船で海に出た時の開放感はすごかった。そしてその広さたるや。収容所はなんというか全体的にそれでいいのか?感がすごかったがそもそもメビウスがガチでやってないのでそういう物だと無理矢理納得する。シャナイアの裏切りはほぼ予告レベルでフラグが立っていたが…。エムの涙はしっかり描写されていたがミオとの入れ替わりは流石に気づけなかった(というよりノアはインタリンクで気づかなかったのか?)。それにしてもタイオン優秀過ぎ。そしてランツセナの覚悟の決まり具合が怖いよ…。命の使い方って…。エムinミオは相当焦ったのではないだろうか。やはり5話と言えば成人の儀のシーン。2話の火時計解放と相まって個人的にはツートップ。逆に言うと盛り上がるようなシーンはだいぶ限られていた気がする。本当にこのまま終わって再生からのループでもするのか?とか考えていた。所で今思い返すとノアミオは特殊なので成人の儀を迎えても結局再生するのでは…?エヌさんその事を忘れていたか余興の為に嘘をついたか。

6話:まさかのノアミオの再生の話がこんな特殊なものだとは…。2でもそれなりにゼノギアスオマージュはあったと思うが、ここまで直接的に接触者と対存在のような展開を持って来るとは思わなかった。という事はアイオニオンが出来た原因にはゾハルか何かがあってそこの根底にノアミオが関わるのか…?と思っていた(何もなかった)。エムが実はミオであり、それに気づいた瞬間のエヌの表情、慟哭の演技は今まで見てきた中でも最高レベルの熱演だった。ラッキーセブンの解放により終(オリジン)の剣へ。終わりと書いてオリジンと読むのはI am alpha I am omega. Beginning and the end的に何か意味があるのか…?と思っていた(何もなかっ)。ついに出てきたモナドアーツ。モナドに関するという点で何か意味があるのかと思った(何もな)。
シャナイアの最期は本当に苦しいものがある。全体的に微妙な敵が多い中で、個人的にはエヌすら抜いてある種一番印象に残ったのはシャナイアである。本来の人の在り方であってもその命の使い方を選べない者はいて、それは世界が強いたからでもある以上に人が強いたからである。その強要を跳ね除け自らで全てを選び進むには弱く、理解してくれる人もいたはずなのにそれを失い、更には劣等感が関係を真逆の物にまで歪めてしまった。選べるのは強者だけであり、劣等感や嫉妬、様々な負の感情を抱えたまま生きて行くのは余りにも辛い。だからこそやり直しを求め、”シャナイア”としての終わりは始まりなのだと。そしてメビウスとまでなり、それでもなおシティーの人々を、自らに枷を嵌めた母でさえ直接手に掛ける勇気は無く…。言動や背景の解像度というか、これでもかと言わんばかりの生々しさを感じる描写は凄まじいとしか言いようが無かった。
ヨランについては後述。DriftingSoulアレンジと共にニアが出て来るのは最高のファンサービス。メリアもそうだが、過去作のキャラの扱いは非常に丁寧で、セリフ回しなんかも全く違和感が無く本当に良い演出だった。

7話:後述する…というより述べるほどの中身が無いのがね…。ただノルマもとい変形ロボットが見られたので良かったです。エンディングは最高だった。最高だったのだが終盤の盛り下がりのせいでこれで終わりなのか…という感覚と感動が同居出来なかった。

敵対するメビウスから見る本作のメッセージ

本作のメビウスという敵はあからさまな、なんというかTHE・悪役が多い。26-1人いるから(Aは未登場)仕方ないとは言え余りにも雑に片付けられていくのは否めない。しかし、本編に出て来て主人公達と因縁のある人からメビウスとなったメンバーはかなり意味を持った扱いをされている。どれも少しずつ立場は違うが、”選択”がキーワードになっている。これについて一人ずつ見ていく。

 

ジェイ:ヨランはランツを助ける為に犠牲になり、自らの劣等感を元にメビウスとなる。彼曰く、あの瞬間君たちを超えたのだと。これはムービーでも語るが実は戦闘でこちらが敗北した際にも同じ事を話す。メビウスとなり知った過去の自分はいずれもまともな死に方をしていなかった。それだけに彼らを救って死んだあの瞬間こそが最上だったと。6話での対峙のセリフは印象深い。ミミズにはミミズの役割がある?そうではない、ミミズでは無く鳥になりたいのだと。鳥、つまり賞賛を得られるのはこの世界では戦闘に優れた者だけで、他の才能は評価されない。彼は自らの才能を”選べなかった”。

エヌ:過去の再生全てでミオと出会い、そして別れる事を知り、その結果ミオを助けたければシティーを滅ぼせとゼットにそそのかされ実行してしまう。そうして後戻り出来なくなった結果がエヌである。かつて何度も挑み敗れ、その結果最愛の人を失う事を知らされ、選ぶ事が出来ない選択をゼットという名の世界によって選ばされたと言える。そもそも選択肢など最初から無く、それを”選ぶしかなかった”と。

エス:シティーの住人であり、ケヴェスアグヌスの兵士に比べればまだ選択肢があったはず。実際ヨランが木工の才を見せたようにシャナイアもまた絵画のセンスを見せていた。しかし、六氏族というしがらみ、姉やゴンドウという”鳥”の存在、母の異常なプレッシャーの結果、シティー全てを裏切るまでになってしまった。彼女が前者2人と違うのは、選べるはずの選択を周りの人間(というより専ら母親が)が”選ばせなかった”という点にある。

シー:彼はメビウスとなった中でも特異で、ノアの決意を確かめたかったという。しかし、彼自身の考えとしては”足るを知れ”と。選び進み続けるは強者の特権であり自分は、弱き者はそうは出来ないと。彼は進み続けない事を”選んだ”。

 

本作のテーマとしては、エンディングでもノアが語るように不確かな未来を選び信じて進み続ける事、総監督がインタビュー(開発者に訊きました : ゼノブレイド3|任天堂)で述べているように

それから、「いくらでも自分で道筋を作れるんだ」、
「夢や目標を諦めないで」ということを今の若い人たち
物語を通して伝えられればなあ、という思いもありました。

という事だろう。ではこれを語る上で彼ら4人の役割はなんだったのか?いずれも敵役としてこのテーマとは真っ向から反している。

現実を見れば彼らメビウスのような状況の方がほとんどではないだろうか?ノア達のように才能に恵まれ、選ぶ事の出来る選択肢があり、それを選ぶ事が許され、進み続けるだけの意思がある、そんな状況の方が稀ではないか?ノア達がジェイにならなかったのは世界に向いている才能があった(ただヨランも回復においては才能があったらしいので何とも言えない所はある、あるがあの体型や諸々から言って戦闘に不向きに生まれてきたのは間違いない)からで、エヌにならなかったのはエムが助けて選択肢をくれたからで、エスにならなかったのはセナにとってのミオのように選択を認めてくれる仲間がいたからで、シーのようにならなかったのはそれだけの意思を持たせる出来事があったからではないか?端的に言ってしまえばノア達は強者で、メビウスとなった者たちは弱者であったからだと。

その差はなんだったのかという点についてはノアがエヌの最期で述べている。運が良かっただけなんだと。仲間や色々な人たちとの巡り合わせ。ほんの僅かな差でしか無く、そうで無ければ自分も同じ道を選んでしまっていただろうと。ではその運が良くなかった者はどうすれば良かったのか?それもまたミオが答えている。留まり守る事もまた一つの選択であり、想い(=人生と解釈した)の形であり、それでも良かったのだと。だからこそ最後はエヌに手を差し伸べ、共に歩もうと提案する。自己責任だと言い捨てたり、その選択の全てを否定する訳ではなく、再び共に進めるはずだと。

しかし、ここまでの解釈で行くと”いくらでも自分で道筋を作れるんだ”とは真逆に思える。クリア時のもやもやした感覚の理由の一つはここにあったと思う。結局ミミズはミミズでしかないのかよと。ノア達もまたゼットという世界に選べないようにさせられているのは理解した上でもやはり彼らは終始強者の側であり、未来を選べるのは強者だけなのでは?と。選べないから人は狂って行き、選ぶ事を許さない世界を壊す、というのがノア達の主張ではあるが、そうやって世界へ立ち向かえるのは強者だからこそではないのか?と。ただ、これではあんまりなのでもう少し考えると、鍵はエヌとノア達の最後の問答にあるのではないかと思う。強者と弱者の問答は幾度となく行われるのに今一つそれへのノア達の回答ははっきりしない、というよりそんな世界を壊す!になりがち(勿論単純な答えがある問題ではないのだが)。しかし、唯一その答えについて明確に描かれているのはあのシーンである。”運”によって強者と弱者の差は生まれてしまうかもしれないが、両者は僅かな差であり、本質的には同じである。互いに嫉妬や羨望、蔑んだり哀れむのでは無く、同じ未来を志す以上共に手を取り前へ進めるのではないかと。つまり強者弱者という立場に囚われず、選び未来へ進もうとするそれこそが重要なのだと。ただ、”いくらでも自分で道筋を作れるんだ”という事を描くに当たりそれを成し遂げたのが終始強者の側だったノア達だけというのがしっくり来ないというのはある。この辺は他の人の考察も見てみたい。それにしてもよくもまあこんなに残酷な現実、特に現代社会でも問題となっているようなセンシティブなテーマ(親ガチャだとか生まれの格差だとか死ぬなら一人で死ねだとかやり直し願望だとか…ってほとんどシャナイアだった)を突きつけて来るものだなとは思ったが…。要するにすっきりしなくて当然、これに加えて答えの無いような人はどう生きるのかといった問題をテーマとしている以上なおさらという話である。それだけのテーマを中途半端にせずここまでがっつりと描写しているのは流石と言わざるを得ない。

ただ、この辺りの描写は丁寧なようでいて演出や展開が微妙で掴みにくいというか…。特にクリスは尺が短いというかヨランのその分を少し分けてやれというぐらいには唐突に出てきて唐突に散る。しかも終盤の消化試合オリジンの欠片集めの最中なのも相まってなおの事。そのせいで前へ進み続けられない者たちも居るがそれでも進むのか?と覚悟を問う重要なポジションなのに、ノア達と謎のふわふわしたやり取りをしただけみたいに見えてしまう。
シャナイアはノア達が目指すはずの本来の人の在り方であっても環境次第ではメビウスと成り果ててしまう事を強烈な印象と共に残していったキャラだが、劣等感という観点においてヨランと被りを起こしている(何なら描写と印象的にヨランがシャナイアに被っている感の方が強い)。シャナイアの背景、エスとしての最期はサイドストーリーごn…セナをプレイしないと見えてこないのはどうなのかというよりメインになぜ入れないのかというのもある。
ヨランはヨランで最後は結局鳥の為に犠牲になるミミズで終わりでいいのかよ?という感覚は否めない。それもまた自分なのだと納得はしていたような描写ではあったが…。ついでにニアの顔見せから生死不明での戦闘なので気が散るという。あの場面でノアはヨランがランツを助けた瞬間”本当の鳥”になれたのだと言う。鳥は強者を指して使われた言葉だが、本当の鳥というのは何を指していたのか?この世界における鳥はゼットに、他人によって定められた物であった事、ヨランがランツを助けたのは自然に体が動いた(=誰に強いられた訳でも無い自らの意思で)という事を踏まえると、前述した本作のメッセージも踏まえ、彼が彼自身の意思で道を選んだという事そのものを指しているのかもしれない。
強者と弱者についてはヨランから果てはゼット戦まで語られる観点だが、ノア達は終始強者の側であり、それについての葛藤のようなものは特に無く、シャナイアのように本来の人の在り方を取り戻しても変わらないかもしれないぞ?という強いメッセージがあっても自らが進む道を疑う事無く進み続ける事にも違和感というか、今一つ共感しきれない部分はあった(エンディングで一応戸惑うが今更メビウスになれってのかよ)。共感という意味で言えばどうあがいてもメビウス側に同情してしまうのは否めない。誰の心にもモナドがあったように、メビウスもまたある。

語られないままな設定

ゼノシリーズと言えばやはりそのシナリオの裏にある数々の設定を意識しない訳にはいかない。ゾハルのように本質的には舞台装置としての役割でしかなく、がっつりと語っても仕方ないものもあるが、本作ではそのレベルではなく思わせぶりな発言もさせたにも関わらずあれはなんだったんだ?で終わる話が根幹レベルで余りにも多い。シナリオの作風はどれも違う事から雰囲気がこれまでと異なるのは納得するし、本作のテーマ的にもそうなるのは分かる(が、集大成という作品で外すのか?という疑問はある)。しかし、その辺を丸投げしてしまうのはどうなのかと。で、更に酷いというか悲しくなるのが後述する盛り下がりにも関わるゼットの発言、面白いだろう?と。このセリフの何が酷いかというと、アイオニオンのほぼ全てはゼットによるものだという事も踏まえると、およそ全ての設定はその方が面白いから(キャラクターの活劇的に)というだけで、そこに必然性も何も無くなり、何でもよかったと全てを投げ出す発言になる。回収されていない設定もその方が面白いからというだけで特に理由などないと全て捨てる事が出来てしまうのである。例えばメビウスは命を喰らって生き永らえているというが、実際彼らは命の再生が出来る訳で、戦争なんて面倒な事させなくてもそれこそ工場のようにしてしまっても良かったのではと言われても何も否定する要素が無くなる。しかもゼットという存在は過去作の展開的に意味がある訳でも無くぽっと出である(モナドの、未来をつかみ取ろうとする意志へ対になる存在という意味ではぽっと出では無いが)。これがゼノシリーズでなければ、ゼノブレイドのクラウス3部作の集大成としての最後でなければまあ納得はしないが理解はしただろう。しかし本作はそうではない。

ただ、逆に今作ではそこまで狙ったのか?と考えなくもない。設定なんていう物は後付けに過ぎずどうでもいいただの舞台装置で、本来描きたいのはそこで生まれる命の輝きなのだと。要するに製作者も、それを楽しむプレイヤーも全てがメビウスであるというメタ的な視点である。ゼットはあの映画を提供するクリエイターであり、劇場でその映画を鑑賞し拍手をしているメビウスこそがプレイヤーだと。筆者はこの手のメタ的な要素は好きだがそれ以上に嫌いなのであまりこの解釈はしたくないが、それでもあのゼットの発言的にそう考えずにはいられない所はある。

単純に設定はあるが語られていないだけという説もある。その時に備えて気になった点を考察と共にリストアップしてみる。してみるのだがどう考察しても常にゼットがその方が面白いだろう?と邪魔をしてくる…。

  • おくりとは何だったのか?
    • ノア達にとっての意味、慰めや前に進むための整理という点はタイオンが述べている。しかし、そもそもおくりをしないと赤い粒子のまま、おくりの有無に関わらず消える人と骸となる人の差、泥人形や遺品からも出る粒子、おくりびとのコンディションでは出ない時もある、成人の儀の色の差と、根幹に関わる設定なのに対して疑問しか残らない。粒子が出るにしても何故独特のキューブ状なのか?と。そうなっているのは結局ゼットがそうしているからとなる訳だが…。
    • そもそも成人の儀という再生からの離脱をメビウスが許したのも謎。クリスが提案しエムが承認したようだが。戦い抜くモチベーションがあった方が面白いだろう?ゼット理論的には成人は勝者の勝ち抜けとしていいアイデアぐらいなのかも。
    • 一応、コロニーオメガでミヤビの記憶を取り戻したようにあの粒子には想いが乗っていると考える事は出来る(終の剣が共鳴していたのでそっちの役割かもしれない)。色の差はさておき無機物から出る理由は分かる。
    • が、わざわざそのおくりをメビウスがさせる理由は?だってその方が面白いから。なんで謝っちゃってんのwww
  • 瞳とは何だったのか?
    • ノポン以外の全て、何ならシティー勢力までもが使っている。右か左かは所属で決まり、カムナビのように引っこ抜いてしまえばそれまで。情報端末のようだがメビウスによる支配にも使える。
    • 要するにメビウスが支配、監視する為に付けていたのだという事は分かるが、シティー勢力も付けているのは何故?遺伝なのか…。
    • 便利ツールあった方が面白いだろう…?
  • ブレイドとは何だったのか?
    • 瞳経由で武器を取り出す。再生成も可能で人によって違うものを出せるし、ウロボロスは他人の物であっても自分が経験したかのように扱える。なおかつ命はブレイド経由でないと吸えない。
    • ケヴェスアグヌスが取り出せるのは戦争の為にそうさせていると分かるがなぜナチュラルにシティー勢力もブレイドを取り出せているのか?前述の瞳と合わせ謎。シティーで生まれる命はオリジンに本来ない命(=瞳を発現させられる理由もない)のはずなのだが。
    • 命はブレイド経由限定なのはなぜなのか?だって間接的な兵器より直接命のやり取りさせた方が面白いから…。その割にレウニス技術とかあるし中途半端。だってロボットもあった方が面白いから…。
  • ウロボロスとは何だったのか?
    • ニアがオリジンから作り出したストーンによって当代6人限定でウロボロスとなる。
    • オリジンからストーンを作り出したのはさておき、そもそもウロボロスってなんだよと。インタリンクした状態はウロボロス。ストーンによって瞳が変化した者もウロボロスウロボロスとインタリンク可能が結びつかない。6人限定もまあまあ謎。瞳に発現する理由も謎。火時計システムへ干渉しての上書きみたいなものか…?しかしメビウスも瞳に発現するし、ウロボロスメビウスを取り込んだノアミオは特殊な形状を得た。
    • ブレイドを共通で扱えるのはゲーム的な理由かなあとも。
    • インタリンクはまあまあ説明があった。限界を超えると消滅現象を引き起こす辺りから、世界の融合と似た現象を直接引き起こして消滅直前のエネルギーを得ているような感じだろう。が、それはそれとしてアラート音は人体からは鳴らないんだよ…なんでだよ…。だってピーピー鳴って面白いだろう?そもそも巨人になるのもなんでだよ…。だってロボやりたかったけどロボではなく融合させたかったから…。
    • ついでにエックスの”ウロボロス…あたし達が与えてやった力だっていうのに”の発言の意味は?文字通りならニアによってもたらされたという設定と矛盾しだいぶ根底が揺らぐのだが…。思わせぶりな発言した方が面白いだろう?
    • 実際ウロボロスの力はエックスが取り上げた。しかしメビウスをも取り込んだミオによって打破。そこの差はなんなんだ。
  • ラッキーセブン、終(オリジン)の剣とは何だったのか?
    • リクの言葉を真に受けるならば、七人のノポンが七年かけて鍛えた魔剣。要するにブレイドではなく作られた剣である。しかし、ニアによればメリアがオリジンに触れ作ったものだと。
    • メビウス達もその存在及び危険性は認知している。
    • なぜか火時計が切れる。ウロボロスでは切れないのに…。どちらもオリジン由来の力である事は同じなのにこの差は何。
    • なぜかメビウスダウジングが出来る。
    • リクとノアとの問答では本当にただのノポンがあんな物を持っているのか?と問うもリクは嘘をつく理由もないと言うがノアはそういう事にしておくと意味ありげな締め方。また、きっかけでしか無く本質は振るう物の意志だと。この辺りやそのアーツにはモナドらしさもある。が、2話の抜刀はさておき6話の解放はと言われると…?
    • エヌも形状の違う物を持っている。というより回想全てのノアが持っている。複数本あるの?
    • モナド、天の聖杯に連なるポジションでありながら最後までラッキーセブン。ノアが付けたという名前も明かされない。
    • ネーミングやその存在からして、ノアがエヌに語る”運が良かった”を体現しているとも言えるが、その割にはチートアイテム過ぎないか?本作の不確かな未来を選び進み続けるというテーマに対して運だけ最強武器と、真っ向から反しているのは何とも言えない。
    • シュルクが意志によりモナドを自ら発現させ、レックスが聖杯の全てを受け入れ第三の剣を扱う覚悟を見せたのに対してノアの決意とラッキーセブンのそれが今一つ噛み合っていない感がある(2話はまさしくそうと言えるが)。6話でなんか突然ウロボロスの胸から引き抜いたぞこれとしか。
    • 色々な場面で7にこだわっているが、これはモノリスソフトになってからゼノシリーズ7作目(ゼノサーガ1,2,3,ゼノブレイド1,クロス,2,3)という事なのかなと。
  • ノア、ミオの再生はなんだったのか?
    • ノアミオは成人の儀を超えてなお再生するしその度に巡り合う。ゼットにとっても想定外で面白い(=理の外)。
    • ゼノギアス接触者対存在そのままだが、これをベースに考えるとノアかミオがオリジンにとって重要な存在であり、片方はその補助的に生まれた存在である可能性がある。接触者がゾハルから波動存在を解放する役目を負ったように、こちらの接触者もまたアイオニオンを消し去る事が役目としてあったのかもしれない。
    • ミオがニア、女王の娘である可能性が非常に高い事からオリジンとの関係性的にミオが接触者でノアがそれにより生まれた特殊な存在…と見る事も出来るか?実際オープニングではノアに声をかけていないかのような違和感を感じたのは事実だし、ノアだけが時間の停止を認識している。筆者は気づかなかったのだが、エピローグではカメラが引き鳥が飛び立つと同時にノアの姿が消えているらしい。描画的な問題の可能性もあるが鳥に合わせてというのが何とも。
    • 結局の所全部考察というより妄想レベルなので、つまりはその方が面白いから…。
  • オリジンとはなんだったのか?
    • 世界の融合で光以外の全てが消失するのに備え全ての情報を格納。融合消失後にそれら全てをオリジンから再現する事で崩壊をなかった事にする為に作られた。クロスのセントラルライフみたいだなと。魂はどこに宿るのか議論はどこにもなかったがそれはクロスでもう済ませたので…という事か。ノア達がその辺りを理解していたのかどうかは微妙。
    • だいぶぶっ飛んだ代物だが、内部にコアクリスタルらしき(微妙に形状が違うが)物が大量に浮かんでいたのであれの応用である事は示唆されていた。
    • 限定版のアートワークにはオリジン内部の没案と思しきイラストが数点乗っていて、ゾハル(ゲート)のような物が大量に浮かぶ(エミュレータか?)イラストや刻印が付いたメモリーキューブ(ゼノギアスセーブポイント兼監視装置)が大量に浮かぶ物もあった。
    • 要するに没案ではあるがオリジンがゾハルの応用物である、という設定が考えられていたであろう事が伺えるし、メモリーキューブによる情報保存という没案から言っても、やはりゼノギアスの設定をなんだかんだ引っ張って来ている節がある(2のゲート周りの設定も限りなくゾハルに近い)。
    • 光だけから全てを再生するというぶっ飛んだ代物である事はまあさて置いてもメリアニアが触れて終の剣やウロボロスストーンはなんで出て来るんだよ…。だってその方が面白いから…。
    • 今作でいう所のゾハルポジションというか、舞台装置でしか無いので深く考えなくてもいい気はする。が、そうするとゼット的に言えば全部面白くする為の舞台装置でしかないので設定全部がどうでも良くなる。
  • 黒い霧、消滅現象とは何だったのか?
    • 黒い霧は消滅現象の予兆で、消滅現象は恐らく世界の融合による消滅。
    • アイオニオンは厳密には時間は停止していないようで、極僅かな時間をひたすら引き延ばしている感覚。結果徐々に崩壊が進みつつあることの現れだろう。
    • 何故かメビウスの探知を妨害出来る…この世界の理が及ばないという意味でもけっこう重要なポイントに思えるのだが…。
    • フィールドでも黒い霧のエリアがあり、入るとキャラ毎に特有のセリフ(厄介だな…とかそういう系統)が流れる。何かもっと要素を詰め込むつもりだったけどオミットされたのか?
    • キャッスル付近は極端に黒い霧が多いが消滅現象は起きていないという。アナイアレイター的に、メビウスがある程度コントロールしている事の示唆か。
    • で、問題となるのは繋がる未来の描写。あの裂け目は2世界と繋がりつつある事を意味していたとは思うのだが、黒い霧によってモンスターが凶暴化したり霧の王のように特殊な状況でないと撃破出来ない謎の存在が現れるのは何だったのか?3の描写と噛み合う部分が何一つ無い。
  • ノポン(リク)とは何だったのか?
    • ノポンと言えば2の系統図ですら出て来ない正真正銘の謎の生物でありギャグ時空に生きる存在であり…。まあクロスではギャグ補正すら消えていたが。
    • ただ、今作では”ノポンは不干渉”であったり、終の剣に関わっていそうな伝説の7ノポンエピソードがあったり、メリアとリクのアイコンタクトであったりと根幹に関わる部分に食い込んできている。
    • 何より火時計に縛られていないし瞳も存在しない。
    • そんな存在をメビウスが許しているのも謎。だってその方が面白いから…。
    • リクはリクでメリアと面識があるというのが謎でしかない。そもそもメリアが捕まったのは尋常ではない程昔。そして7ノポンは皆年齢不詳である。
    • メリアから終の剣をノアに託すように頼まれたというのは想像が付くが何故ノア?ともなるし年齢どうなってるんだもある。
  • ED後どうなったのか?
    • アイオニオン消失から世界の融合をやり直し、消滅。オリジンによって再生された事でオープニングの続き(=世界は消滅したが元に戻りゼットによって静止させられた時間が動き出す)となった。
    • オリジンから再生後世界が分かれると思っていなかった人がけっこう居たようで、こちらが勘違いしていたかと思った。
    • 一回融合して別れたのはいいが、再び融合したりはしないのか?その時はその時でまたオリジン使えばいいか…。
    • ティーに人々は消滅したがオリジンには登録されているとは述べられていた。どういう形でかは謎だが、再生後の世界には何らかの形で反映されいずれ生まれ来る…らしい。ケヴェスアグヌス、つまり1,2の人々の子孫がいる事を考えれば1,2世界が何かしらの手段で将来的に交流しないと無理な気がするのだが、逆にそうなる未来の示唆でもあるのか。
    • 笛の音を聞き何かを思い出したかのような表情をするノア。コロニーオメガの時のように笛の旋律に想いを乗せて…という事だろう。ミオが居る訳はないので、オリジンから再生された情報の中におくりの旋律もという事かなあと。
    • では2人は会えたのかというと、オリジンからアイオニオンの情報が反映されている(元の世界には無い笛の旋律)しノアも何となく思い出しているようなので通信は出来ている世界である以上いずれ何かしらの形で会えるかもねぐらい。

なにかまだあった気がするがまた思い出したら書く。

盛り下がりながら終わるシナリオ

成人の儀、6話冒頭がピークかつそこでもうほぼシナリオは終わっていて、残りの部分で盛り上がる事なく消化試合のように終わるのが非常に残念だったと言わざるを得ない。特に7話。ニアのシーンは勿論良かったがあれは3というより2パワーというか。成人の儀の所までで予算も時間も尽きたのか(それはそれとして大型ロボット変形合体はする。なぜならその方が面白いので)と疑わずにはいられなかった。

オリジンの欠片は特に意味がある地点を巡るでもなく、一応ノアのサイドストーリーとしてクリスが待ち構えるだけ。いや、”だけ”では無いのだが、ヨランから尺を貰えと言いたくなるその登場の唐突度合いから、その感動的な雰囲気に乗れないまま終わった。

オリジンの欠片を集めて船を改造しオリジン突入となるも何故か普通に着いて来るシティーの軍用艦。オリジンの欠片で補強しないとダメじゃなかったのか…?なんで集め回ってたんだ…?まあ多分サモンが多めに要求してそれらも改造したんだろう。多分。

内部ではエヌとの決着だが、ふわっとした発言が多いせいで、よくよく前後の意味や背景を考察しないと何を言っているのか見えて来ない。”希望だ!”とかなんと傲岸不遜な…とエヌと同じ気持ち!になってしまった。が、ちゃんと考えると過去ミオのシティーに生まれ来る新たな命は未来の希望である発言から来ていてそれをエヌに思い出させるという意味がある事が分かる。というよりニアの時のディージェイのようにメリアが気になり過ぎてね…。

メリアから明かされるゼットの正体。誰の心にもメビウスはあるというのはまさしく1のモナドへ対になるものとしての表現なのだなと。ただそれはそれとして集合意識がラスボスなのか…と。どんでん返しも何も無かったのでそうだったのだが。

エックスとワイに至っては退場ムービーすらない。サイドストーリーで活躍したからいいよねという事にしては余りにも雑ではないか。なんというかポジションに対しての扱いが酷過ぎる。三聖がただ倒して終わりとか、シンマルベーニがただ倒して終わりとかそんな感じ。ストーリーの起伏の無さに起因するというか、ウロボロスとなって世界を壊すと決まった時点からそれ以上の展開が存在しないので、成人の儀でもうストーリーは終わっている(=ミオの寿命問題が解決して倒すべき相手を知った)事からやる事ももう無いのだろう。原初のメビウスなのだから、彼らを揺さぶるというか葛藤させる何かがあっても良さそうなのに…。一応戦闘中喋っているのだが、この戦闘に限らず字幕も無い(というか欲しい)為何を言っているのか正確に聞き取るのは難しい。

で、やたらと長いオリジンを踏破してついに見えるゼット。最初の問答はまあそうだな…という感じだった。選べない弱者はどうする?哀れみ手を差し伸べるのか?というクリティカルな問いへはそうさせている世界を壊す!で終わる。そうさせているのはシャナイア母のような人もいるのにそこへの想いは無いのか…。そして、そんな世界にしたのはその方が面白いだろう?と。考察の部分で述べたようにこれが最低の発言で、かなり冷めてしまった。考察的にもそうだし、それ以上にゼットというラスボスとしても小物感が強くなり過ぎて本当にこれ倒して終わるのか?と。そもそも概念系ラスボスというのが好きでは無いのだが。人の永遠の今を望み前へ進みたくないという願いから生まれたものだったはずなのにそこまで邪悪になるのは何故…?おまけにラスボス戦が長いし硬い(ハードのせいもあるとは思うが)。幸いな事にやられはしなかったが全部やり直しらしいので相当しんどい。人形態はほぼギミックでダメージに耐えながらウロボロスチェインを3回もする。その後出て来るのは顔。別ゲーの話になるが、去年FF14暁月の終焉をクリアした。あちらも集合思念による概念系ラスボス、しかもデザインは顔。これ見たな…という感が強く本当に盛り上がらない(しかも暁月の方がよほど集大成というか最終話として丁寧に描いていた分だけ猶更)。顔を倒したらまた顔。今度は分離させられて3:3。ロールバランスが良かったからなんとかなったが正直相当きついと思う。ヒーロー参戦はけっこう熱い展開ではあった。顔を倒してまた顔。そしてノルマこと巨大ロボット戦闘を経てメリアニアの参戦。これはすごい盛り上がったのだがまだマイナス。

人ゼットと顔3回とやっと撃破すると目が痛くなる謎の色味と集中線。じっくり考えれば意味のある発言がほとんどだったと思うのだが、願いに想いでは勝てない…はさすがに首を傾げずにはいられなかった。ふわっとの極致。そして最期はいやだいやだあああ。まあそりゃ永遠の今を求める人の弱さの塊だけどさ…。

そんな感じだったので、エンディング自体は最高だったのにこれで終わりなのか…?という考えがモノリスソフトロゴを見るまで消えなかった。というより見た今も消えていない。なんというか消化試合なら消化試合なりにもっとテンポ良くやってくれればまた違った可能性もある、がそもそも最後まで謎が残り続けたまま終わるのでやっぱりダメかも。

散々盛り下がりについて書いたが、6話冒頭までは最高だったのでいっそそこにゼットが乗り込んできて撃破で終わりでも何も変わらなかったまである。どうせ色々な設定回収しないし、主人公達の描写についてもほぼ終わっているのだからオリジンなんてあってもなくても変わらない。

前述したようにわざと”らしさ”を外してきたのは分かるし、過去作のように熱い展開が続かないのも作風の違いという事で理解も納得もしている(まあそもそもゼノブレイドシリーズ自体全部作風違うからなあと)。だが、敵の描写においてこうも単純な描き方で雑な終わりだと本筋のテーマも軽い物となってしまう。特にメッセージ性の強い本作において、敵は主人公達と相対する主張を持つ者達な訳で、それを何らかの形で否定するからこそ主人公達の持つメッセージが効いてくるはずなのにその相手があれでは…。人からメビウスとなった者達はあれだけ丁寧に描いていたのに…。過去と同じ物を、変わらない事を求めるメビウスのような発言になってしまうがあえてそれでもゴンドウの言葉を借りるなら”お前の得意は違うだろ”と。

また、本作は本当に寄り道が楽しく、サブクエストやヒーロークエストなど、アイオニオンの描写が充実している。火時計から解放されて新たな生き方を見つけたり、今まで単一のコロニーで閉じられていた関係が発展していく様を見たりと、プレイすればするほどアイオニオンに愛着がわき、プレイヤーの感情的にはアイオニオンの存続を望むメビウスそのものになってしまう。これがミラで生きて行く事を決意したクロスや、初めからロストする事が分かっているイーラならまた話は別なのだが、こうもプレイヤー側の心情と主人公達の心情がミスマッチを起こす作りになっているのはなんだかなあと。前述したメタ的な視点のようにむしろ狙っている説はあるのだが。今作はサブクエをやっているかどうかで感じ方が変わるというのは見るが、実際の所やればやるほど“メビウス”に心情が近づくのである。

ここまでで何度も触れているが、本作は1,2要素を引っ張ってきた集大成として、クラウス3部作の最後としての作品でもあった。だが、実際にこうやって終わってみるとファンサービス以外に1,2の要素の必要性を感じなかったというのが正直な所である。既プレイヤーからしてみればファンサービス以外の1,2世界との設定的な繋がりの必然性が薄く(別に何か謎の2つの世界が融合しようとしたでも話は通る)、3が初のプレイヤーにしてみればメリアニア周りは理解不能だろう(ニアなんで生き返ったのとか最後のモナドとか写真とかハナとか、後者はともかく前者は流石にね)と、両方取ろうとして中途半端に終わった感じがしてしまう。特に2が余りにも綺麗に2をしつつ単品で完結をしていたのでなおの事。2と同時期に構想があったというがマジか…と言わずにはいられない。過去作との比較をここ以外でも何度もしているが、やはり自分の中でハードルが上がってしまっていたのは否めない。でも1,2要素持ってきた集大成っていうのは本当だしなあと。それでハードルを上げるなという方が無理である。やはり3ではなくクロスみたいな別シリーズのようなポジションだったらまた違う感想だったかもしれない。

結局の所、筆者がすっきりと終われなかった理由を挙げると、

  • 1,2要素を持ってきたゼノブレイド集大成としてのハードルが上がりきってしまっていた
  • ゼノシリーズとしてここまで設定を丸投げすると思っていなかった
  • (ビター気味なエンドだった)

という2点+1に集約されるのかなと。前述の別シリーズみたいなポジションだったら…というのはそういう事。集大成という事で1,2やって欲しそうにしてたけど実はシリーズ未経験でゼノブレへの先入観が無い方が純粋に楽しめる説はある。色々な描写には理由も設定もあるし、多少ご都合と言われようがなんだろうが最後はなんだかんだハッピーエンドでまとまるのがゼノシリーズだと思っていた(まさしく変わらない事を求めるメビウスのような思考だがミオも留まる事も想いの形だと言っているので…)が、そこからだいぶ外してきたなあ…と、外して欲しく無かった所も外れて来たのが(そういう点も含めてクロスっぽい)。ゲームのプレイヤー心理としても100時間越え遊んでビターに終わるという事自体が辛いと言えば辛い。ただ、言うまでも無く、メビウス周りで長々と考察を書いたようにシナリオの中身が無かったとかただつまらなかったとかそういう訳では無い。

 

DLCへの期待

本編は終わったが、エキスパンションパスによる展開はまだ残っている。前作もとんでもない物量をDLCで更に追加してきたのでそちらに期待したい所。特に追加シナリオはイーラのような大ボリュームとの事なので、もしかしたら本作の投げられた謎を回収する…かもしれない。

ゼノブレイドシリーズの未来を感じられるとの事なのでどういう方面に展開するのはなかなか予想しづらい。現状出ている情報だとモナド、天の聖杯、ラッキーセブンが揃い並んでいるイラストがイメージとなっている。イーラがイーラの紋章をイメージイラストとしていたようにこれが関係してくる、つまり3人の主人公が集まるであろう事は間違いないだろう。現在出ている設定では六氏族の始祖の師として赤き大剣を振るった冷静なシュルク(隻腕なのはダンバンと混じってる?)、二振りの大剣を振るった豪放磊落なレックス(隻眼なのはジークと混じってる?)らしき人物の像があるので、もしかするとそこに過去ノアミオもとい始祖を出す事で全員登場をやるのかもしれない。思わせぶりな七人目も居る。ただ、あれは時系列が微妙。というのも、ウロボロスの力を引き出す事でエヌを退けたのが六氏族の始祖である。そうするとノアはその時点でエヌだしシュルクレックスはいったい何歳なんだと。あとついでにヴァンダム家の始祖がノアよりどことなくフェイっぽい。

内容はどうあれ、そのボリュームには期待するのは流石に大丈夫そうなので楽しみである。

 

最後に

色々と書いたが、楽しんだかどうかで言えば間違いなく楽しんだ。ただ、ハードルは高かったという話である。サントラも早く欲しい。設定資料集的な物も出るのであれば欲しいし、DLCも年内にはチャレンジバトルが来るので楽しみである。

何より、世の中のネクロマンシーされたけど再度墓に埋めなおされるだとか、そもそもネクロマンシー先が別物だと不完全だとか、帰ってきたかと思えば何もなく去って行ったとかそういうコンテンツの存在を思えば、こうやって熱意を持って展開が続いているゼノシリーズは幸せだなと痛感している。改めて感謝を。

今作はゼノブレイドシリーズの集大成というが実の所ギアスサーガ要素もかなり多かったように感じる。ノアミオはエヌエム含めまさしくフェイエリィ。執政官はテスタメントっぽさがある。メビウスの永遠の今は永劫回帰そのものだし、サーガ1のサブタイトルである力への意思というワードもシナリオのベースに関連するように思う。ハマハマやシドウのようなサブクエでもそう。

3は今までに比べてTwitterなんかでもかなり感想文だとかを見かけてプレイヤーが増えたなあと感じる。そもそもこの感想文ことブログも保存用観賞用布教用で3本買うより面白い事を伝えてプレイヤー母数を増やす方がいいなと思って書き始めた物なのでなおの事(まあこれはネタバレ全開なのだが)。この記事も気づけば26000字はあった。ゼノブレイドと言えば物量なので仕方ないね。