ゲーマー回顧録

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【ゼノブレイド3DLC】新たなる未来をクリアしての感想・考察

先日配信されたゼノブレイド3エキスパンションパス第4弾、新たなる未来(

Xenoblade3(ゼノブレイド3)新たなる未来 | Nintendo Switch | 任天堂

)をクリアしたので感想及び考察を書いて行きたい。当然ながらDLCのみならず本編側のネタバレも含むので注意。25時間前後でエネペディアに若干漏れはあるがヒトノワ及びそれ以外のキズナビリティはコンプリートした状態である。

なお本編の感想等はこちら。

gamermemoirs.hatenablog.com

 

2024/4/1追記:アイオニオンモーメント発売に伴い大きな追加情報があった。特にこの考察周りで書いていた事のほぼ全てに何かしらの回答が用意されていたのでゲーム内でも語って欲しいとは思いつつも気になる人はマストバイ。というより設定資料集ですら”まだ”語れない設定があるらしいので今後にも期待。

 

 

終わり良ければ全て良し

ゼノブレイド3本編の感想の冒頭でも”終わり良ければ全て良し”と述べたが、あえて今回もその言葉から始めたい。

正直な所、新たなる未来をプレイする前は期待もあったのだがそれ以上にかなりの不安があった。本編はゼノブレイドシリーズ集大成としてあのオチであり、本作(新たなる未来)はその前日譚。本編の展開を考えればまたしてもイーラのようにバッドエンド間違いなしなのでは?と。しかも前作主人公やその関連人物を巻き込んだ上で。バッドエンドで無かったとしても前日譚だというのに”新たなる未来”というのはどこへ物語を着地させるのか?と。おまけにあからさまにロストさせる為かの如くヒトノワという不安を煽る(?)要素もまさかの続投。期待の裏返しのような不安要素ばかりであった。

だが、クリアした今なら杞憂であったと断言出来る。まさしく終わり良ければ全て良しだと。ゼノブレイドシリーズの集大成として、その一区切りとして、本当にここまでゼノブレイドシリーズあるいはゼノシリーズをプレイしてきて良かったと思える作品だった。

後の方でも触れるがファンサービスの極みというか、本編でもあったマップ面は勿論の事、コロニー9の扱い、BGM、サブクエスト、ユニークモンスター、台詞回しにムービーのカット、何よりシュルクレックスも登場してのシナリオの展開とどれを取ってもこれはあの場面の!と興奮しっぱなしであった。本編に求めていた物がここにあった。

以下、各要素についての感想を書いて行く。

 

すっきりまとまったバトルシステム

イーラも2から一部要素をオミット、再構成して簡潔になっていた部分があったが、本作はそれ以上にかなり良くまとまっていたように思う。

本編のクラスシステム及びウロボロスが無くなった代わりに、融合アーツ(ウロボロスパワー)の組み合わせによるアーツ性能の変化、ユニオンコンボによるフィニッシュ、ユニオンの編成によるパッシブとユニオンコンボ性能の変化と色々な変更が加えられていた。クラスシステムは各キャラの個性が無くなる+切り替えの煩雑さが気になっていた事、ウロボロスはかっこいいけどシステムとしてはそこまで面白いと思っていなかった事もあり、この変化はかなり好印象だった。コンボもバスケするのではなくある程度リキャストに制限があるユニオンコンボで締める形になり、何よりあのナレーションこそないものの謎の技名カットインが復活したのは嬉しかった。特にユニオンの編成による差の付け方は悩ましい所があった。ユニオンスキルを取るかコンボフィニッシュ効果を選ぶか…と。あと単純にペアにしたい組み合わせ的な意味も。

ただ結局チェインが長くBGM上書きもそのままなのとAIがやっぱり残念過ぎるのは…。チェイン効果をアクセサリーで変更出来るのはなかなか良かった。その辺は次回作に期待という事で。

マシューはアーツ回転率が非常に高くテンポ良く殴れるのはなかなか。なおレックス。
エイはまさかのビジョンというかまあ本人だしな…。アーツの際にはちゃんとモナドフェンサーの円に都度その文字が表示されるのはズームすると分かる。バニシングエンドはどこで習ったんでしょうね。
本作のディフェンダーは本当に頼りなかったがニコルは育てると浮沈艦と化すのはなかなか。70ユニーク戦で一人だけ生き残って思い出のロケットで立て直した雄姿は忘れない。
カギロイは助け起こし加速が完全に今作のアタッカー介護専門家。レックスもそうだしマシューもかなりの火力があるのでポンポン倒れる。しっかりしなさいレックスは完全にヒカリ。楽器の音色がWindowsのエラー音に似ているというのは笑い所。
本作のディフェンダーの頼りなさを考えるとシュルクはもう少し盛って欲しかった所。粋の境地でもあればと思ったがまさかの機の律動。機の律動??ただ、風貌どころかほとんどのモーションがダンバン譲りなのは本当に熱い。モナドバスター(桜花乱舞)だとかアーツの疾風刃鉄巧弾天地剣、ユニオンコンボのモナドサイクロンはどことなく千刃天翔っぽい(元々どちらも上昇するのだが)。モナドレイジはネーミングに流石に笑ってしまった。何でもありである。どうせなら桜花乱舞ばりに叫んだり一句詠んで欲しかった所ではあるのだが…。チェイン始動時の好機到来!などのセリフも熱い。
レックスが相も変わらずダブルスピンエッジで無限に回り続けるのは笑うしかなかった。これこそ正真正銘のウロボロス。流石にローリングスマッシュは自重していたのでヘイトを稼ぎ続けてそのまま倒れるというオチも込み。永遠に回り続けるのもそうなのだが火力が一人だけぶっ飛んでいるのでそれも合わせて爽快感たっぷり。タレントアーツのインフィニットブレイドはさながら一人ケーキ入刀。ホムヒカの剣を合体させてプネウマの剣にするのはカッコ良すぎでは?

 

本編以上にファンサービスに溢れたマップやBGM、サブクエス

消滅現象が進んでいない事もあってか混じるには混じっているが原型を比較的とどめた物が多く、ここはあの!となる場面がかなりあった。拠点はコロニー9でマップの作りもそのまま、それだけではなく元のマップを意識したユニークモンスターも多く、非常に懐かしい気持ちになった。特にコロニー9付近ではBGMも変化との徹底ぶり。ちょうど1でもあの坂を降りてコロニー9へ戻る所から始まる流れを、リベレイターの拠点へ行く過程で新たなる未来でも再現していた事にはもう感無量である。終盤の展開では、何ならエイも述べていたが、監獄塔へ行きアルファとの対峙という、当時のザンザとのそれをアルファ自身が再現しているという熱い展開。キズナビュー含め、要所要所でシュルクレックスが当時の思い出を語ってプレイヤー側にも思い出させてくれるのは良い演出だった。

また、マップそのものだけでなく探索もより一層楽しくなっていたのはかなり良かったポイント。既に行ったマップにも後から変化があってそれを探したり、立体的なGEZANをしながら色々とアイテムを見つけたりする過程はとても楽しめた。キズナビリティという形で探索がそのままキャラクターの強化に繋がり、キャラクターの強化アイテムも探索などで見つかる為、本編の虚無(悲しみ)コンテナからは打って変わって探す価値が出て来た。もちろんマップの探索そのものも楽しいには楽しいのだが、その結果として何かしらあった方が虚無コンテナよりかはワクワクするので、完全に強化に直結しないまでもこんな感じの探索方式は今後も期待したい。

マップ毎に各アイテムなどの数が分かるようになっていた点や、アイテムのグレードアップで場所もある程度分かるようになった点、地名がちゃんと表示されるようになっていたのはかなり良い所。スキップトラベルの時間が固定では無く今の時間帯を引き継ぎ、天候も終盤で変更出来るようになったのは大変助かった。それだけにどうしてメニューBGMのぶった切りはそのままだったのか…。思わずオプションにオンオフの項目が追加されていないかを探してしまった。

ユニークモンスターについてはJr.なバルバロッサを始め、穴蔵のあいつは周りのやつらが新たなる未来仕様でパワーアップしていて洗礼を受けたり、対空砲には常闇さんが居たり流刑の砦にはゴドウィン、ガウル平原の雷雨限定もいたなあと思ったのだがなんか記憶に無いやばそうなのがいるんですけど???そしてヴァラク雪山の休憩地点付近は見覚えのある地形…アバーシさん!!!なんか霧の獣になってる…。最後の最後だけBGMがユニーク戦ではなく通常曲で締める事になるのが何とも粋な演出。

サブクエストもまさかのカレーにジェム爺、キングオブサルベージャー等と懐かしいものを持って来たのには驚いた。

 

それぞれのキャラクターの印象

マシュー
レックスよりも更に真っ直ぐで熱血な好青年というのもあって、過去作主人公の中にあっても埋もれる事無くしっかりしていた感覚。ニコルカギロイの争いを止める所はまさしく本編ゲルニカのようでもあった。Wの合体鉄巨神を3人の主人公が命を背負ってをバックに破壊するシーンは見たかったのはこれだよこれという感じ。命を背負ってはショートバージョンではあったが。ラストでアルファからの問いかけに答えるシーンは彼の真っ直ぐさも相まってとても良かった。フェイに似ていたのは結局の所オマージュでしかなかったとは思うのだが、後述する終盤の展開から言って大きな意味のあるオマージュだったのではなかろうか。

エイ
あからさまにアルヴィースっぽい雰囲気をしていたがまさか本当に当人だとは…。ロゴスは男性、プネウマが女性だからウーシアはその中間としてどちらにも成り得るよねそうだね。シュルクは割とすぐに気づいたようで、何とも言えない信頼関係的なものが伺えたのもなかなか。マシューとのコンビがめちゃくちゃ噛み合ってて良かった。エンディングでの”僕には視える”は1のラストオマージュだなあと。どこまでが彼にとって流れの内だったのかは誰も知らない。

ニコル
もしかして…?だったがやはりシュルクとフィオルンの息子だった様子。ブレイドを出せない足手まといというのは何度か序盤で触れられていたが、ある意味ストーリーのテーマでもある、頭お花畑と言われようが切り捨てたりせず全て救って見せるというマシューの姿勢にも関わる話だったのだなと後から気付いた。

カギロイ
風貌はホムラのようで性格はヒカリのようで髪型はプネウマという見事なミックス度合。ニコル同様に予想通りホムラの娘だった(ヒカリ説もあるのだが例の写真の髪色から言ってホムラだろう)。シティーの像には柔和などとの記述もあったがその後どうなったのか…。登場からしばらくはかなり気が強く現実を受け入れられない描写があったが、まさしく人の性格の形成は環境による所が大きいという事なのだろう。ニコルもそうだがシュルクレックスとの親子関係を描くキャラとしての雰囲気が強めで、単独の描写としては割りと普通の一般ケヴェスアグヌス兵という感ではあった。それでもやはり、親子関係の描写についてはここがアイオニオンで無かったらどんな関係であったのだろうかと気になるものであった。

シュルク
技から風貌からまさしくダンバンの弟子というか後継者というか。レックスが大化けしていただけに順当に成長した感があって良い。ニコルとのやり取りでは完全に子供と趣味を共にする父親だったし、カギロイとの関係に悩むレックスを諭す姿もリベレイターのリーダーとして振る舞う姿も、落ち着いた大人としての雰囲気がとてもよく出ていた。レックスと共にニコルカギロイに未来を託すシーンは本当に良かった。

レックス
例の写真でもかなりでかくなっていたが、そこから更に時間が経過してサルベージャーという海の男というかなんというか、ここまでやるかというぐらいムキムキになっていて流石に驚いた。それでいてしっかり大人としての立ち振る舞いになっていて、立派になったなあ…と(誰目線だ)。ジークの隻眼(あれはエセだが)やヴァンダムの傷跡、メレフのような二刀流にメツのような風貌と、関わった大人たちの影響を多分に受けていると思われる。カギロイを助けた場面では、アイオニオンという状況ではあるものの恐らく自分の娘だろうに、なかなか手厳しい父親の姿を見せていたが、なんだかんだで奇妙な親子関係には悩んでいる姿が見えたりというのは面白かった所。休憩中にストレッチをしながらチラチラとカギロイの様子を伺う所なんかはちょっとあれだが…。神託跡地での親子対決はシンメツとの対峙の再現かあと。ニコルの覚悟が問われる(?)。笑顔についての話も拾われていたし、ラストでの”誰か”に想いを託すシーンは2のメツとの問答のそれがまさしく体現されていたのは熱い。カギロイ救出でのカットやエヌとの対峙の場面は2の1章の復活から天の聖杯を構えるシーンやメツとの対峙のオマージュだなあと。他にも気づいていないだけでかなりありそう。

ナエル
アルファの思想に同調してしまったが故の本編だった訳だが、それを完全に否定出来るか?と問われると難しいのがこの世界。結局人が人を殺す酷い世界で、たとえそれが許せなかったとしても、自分たちだけが生きられればそれで良いという拒絶、あるいは無関心とも言える姿勢を取り、切り捨てる事だけを繰り返しては同じ過ちを犯してしまう。例のラジオの内容も、前後の文脈から考えれば恐らくは切り捨てる方向性の話だったのではないだろうか。移民といいつつ実態は棄民のようなものだろうし、人権擁護法案が否決という事はそういう事だろう。本編に欲しかった敵役のようなポジションだったなあと思う。

エヌ
まさかエヌのシティー襲撃の意味がそんな所にあったとは…。メビウスに成りたてではあったもののカギロイに言及されるほど虚無の目。やらなければアルファによって消滅させられていたとはいえ、実子を、その仲間の多くを手に掛ける事になったのだから本編であれだけ擦り切れているのも納得。あのシーンはゴンドウもかなりの熱演で来るものがあった。DLCのイメージ画像に3本の剣があった訳で何らかの形で主人公3人が揃うと予想はしていたがなんというミスリード。エヌもノアだけどさ…。

 

本編の謎と新たなる未来の謎の考察

部分的にではあるが、本編で謎のままだった要素の説明がなされていたり、逆に新たなる未来で出て来た謎もある。その辺りについて書いて行く。

  • ウロボロスとはなんだったのか?
    • マシューのブレイドから発せられる光、あるいは力によって発現する能力らしい。
    • 能力自体はウロボロスパワーと呼ばれており、単純な身体能力等の向上?のようで、当時からマシューは並みのメビウスを圧倒していた。
    • ただし戦力として主流では無かったようで、当時の使い手はゴンドウ爺とマシューナエルだけだったとの事。ブレイドのアンプなんてあるのか…。
    • 本編でウロボロスの力はエックスが与えたと言及していた訳だが、それは結局の所、エヌがマシュー達に協力してウロボロスパワーの真の力を引き出した事を指していたのだろう。なんと図々しい。
    • だがそれはそれとしてなぜエヌがウロボロスの真の力について知っていたのかは気になる所。メビウスとなった事で得た知識なのか。
    • 真の力として全員インタリンクをやった訳だが、インタリンクによる強化=ウロボロスの力という事なのだろう。
    • 結局瞳についての言及はなかったのでそことの関連性は謎。ビジュアル的な分かりやすさかなあとも。
    • ウロボロスストーン自体は本編でもニアの説明にあったようにニアがオリジンから作ったもの。当時は未完で、ニコルやリクが研究を引き継いで完成させた様子。
    • 当代6人限定というのはストーンの出力限界を指していたらしい事がエンディングのニコルの発言から伺える。
    • ではウロボロスとは結局なんだったのか?と考えると、その力を引き出すマシューのブレイドにプネウマのコアがあった事、ストーンをニアがオリジン(=魂と記憶の場)から作った事から考えればある種2のブレイドとドライバーのような物では無いだろうか?ドライバーは同調するだけで能力が向上する事やウロボロスの真の力であるインタリンクが(本編では)2人1つとなって力を発揮する事がどことなく近いように思う。
    • が、やはり特に明言は無いので妄想の範疇。
  • ラッキーセブン、終の剣、終の拳とは何だったのか?
    • ラッキーセブンはリクの命名で師匠であるメリアから託されたものであるという。
    • メリアの大切な人が入っているとの事だったが、シュルクはいるしなあと。オリジンから作られている事を踏まえると、オリジンに同化されたかつての仲間を指しているのか?
    • モノとしてはやはりモナドを意識していたであろう事は間違いないだろう。
    • 終盤で突然マシューのブレイドをエヌが終の拳と呼び、その中にはプネウマのコアがあった。マシューのブレイドはゴンドウ爺から受け継いだ物でかつオリジンの金属製との事。
    • ホムヒカはアイオニオンには存在せず、オリジンと同化していそうな事を考えると、当人のコアであるかは怪しい。しかし、終の拳はオリジン製である事を考えるとどうにかしてコアに戻り拳製作タイミングで埋め込んだ可能性も無くはない。もしそうだとすればレックスはその事を先に認識していそうである為微妙。終の拳解放時にあれはと気づいたわけなので。
    • 最後にレックスは”あいつら”と言いながらエヌの終の剣とマシューの終の拳にカメラが向く。拳にプネウマがあった事から、剣にはロゴスがあった事を示唆しているかのような演出である。コアそのものは2本編で失われていたように見えたがオリジンからその力が引き出されたという事だろうか?
    • 実際ゼットはオリジンに神なる者達の意思が満ちていると述べており、アルファを神と呼んでいる事からもトリニティプロセッサーを指していると思われる。
    • そうするとプネウマにせよロゴスにせよ、彼らがアイオニオンを解放してくれそうな人(=ノア)を選んで力を与えたという事なのだろうか。どういう経緯でそれらのコアあるいはブレイドがエヌ(過去ノア)やゴンドウ、本編ノアの手に渡ったのかは謎だが、プネウマロゴスのコアを埋め込んだだとかでは無く、その逆で選ばれてブレイドに宿っていたとすると何となく納得がいく。
    • ノアミオの転生については何もなかったが、少なくともノアについてはザンザに選ばれたシュルク、聖杯に選ばれたレックスのようにトリニティプロセッサーに選ばれたとするとそういう事なのかなという気持ちになれる。
    • リクが持つラッキーセブンとエヌの持つ終の剣とで、本編で終の剣と呼ばれるものが少なくとも二本ある事は間違いないが、同一の存在なのかについてはかなり謎。若干デザインが異なるがほぼ同じような形状で、こちらもどのようにしてエヌ(過去ノア)の手に渡ったかは謎。
    • ウーシアがオリジンの核であった事も踏まえると、ラッキーセブン及び終の剣はどちらもウーシア(というよりオリジンの金属)、エヌの終の剣全体では無く鞘の部分がロゴス入り、終の拳あるいはノアの籠手がプネウマ入りとするとかなり綺麗にまとまるように思う。最後のノアはエヌと同一となる事で全てを兼ね備えていた事になる。
    • トリニティプロセッサー全てを備えたブレイドを最後は投げ捨てた訳だがあれをどう解釈するかは悩み処。戦いが終わりオリジンに全てを返したと見るか、もっとメタ的にトリニティプロセッサー(とクラウスとゲート)から始まったゼノブレイドシリーズ3作の終わりを表していると見るべきか。
    • バランス的な話をすると、モナドがウーシア、天の聖杯がプネウマなので終の剣は鞘と限定せず全体でロゴスでいいかも。そうすると過去ノアが終の剣として持っていたのが野生(?)でメリアから託された訳では無いという事になるのだが。メツもモナドを振るっていた訳だから仮にラッキーセブンと終の剣が別物であっても似ているのは不自然ではない。
    • いずれにせよロゴスは酷い世界を消し去るイレーサーとしての役割を存分に発揮してくれたんだなあとなる。相棒がエヌなのもなんというかうん。
    • 色で考えると確かにあの鞘の色といい、マシューのウロボロスパワーを発揮した時の色といい、ノアの籠手の色といい、割とそのまんまだったんだなと。
  • オリジンとは何だったのか?
    • 本編から増えた情報としてはウーシアがコアとして使われており、そのウーシアがトリニティプロセッサーとしての均衡性を保てないまま稼働してしまったが故のアルファとしての暴走だった。
    • 魂と記憶の場と表現していたが、やはりクロスのように魂の存在が証明されている世界観なんだなあと。記憶の再生機能も用途を考えれば納得。
    • 魂と記憶が保存されているという事から、金色の粒子となった人々の行く先がオリジンとするとあれはオリジンに新規登録という事なのかもしれない。
  • 霧の獣、消滅現象とは何だったのか?
    • 霧の獣は世界の歪から生まれる存在との事で、当時はアルファが使役している状態との事だった。
    • 繋がる未来で現れたのはやはり霧含め融合の予兆だったのだろう。霧の王はなぜ特別だったかまではなかったがまあ強力な個体(=より大きな歪で形成するエーテルからして異なる)というぐらいだったのだろう。
    • 世界の融合に伴う消滅現象はやはり進んでいるようで、なんなら本編中はエイやシュルクレックスがオリジンのコアとして頑張って止めていてくれたらしい。
  • リクとは何だったのか?
    • まさかのリキの息子でメリアが師匠。
    • 恐らく六氏族の像の7番目というのはリクの事なのだろう。ウロボロスストーンの研究に最も貢献していた事や、ケヴェスに潜入してラッキーセブンの使い手を探すとの事から存在が後世に知れるのはまずいとの判断と思われる。
    • 1000年以上もノアというかラッキーセブンを託せる人間を待っていた精神力凄すぎないか?影の主役。
    • 本編はだいぶ演技してた事になるわけでとんでもないノポンだな…全部知ってる上で見極めようと動いていた辺りがどことなくシタン先生っぽい。
    • じゃあ寿命は???だってノポンだし…。
  • ED後どうなったのか?
    • 本編ニアのクエストでの発言から、元々は二つの世界は分離した状態で再生される事を想定していたように思われ、実際、ED中に一度二つに分かれている。
    • が、その後一つに融合して太陽系に出現した描写がされている。
    • 結局明確な描写はなかったが本編EDのあの旋律は正真正銘本物であり、向こうの世界の情報がいい感じに再生されていたという事で、きっとミオ達と会えたのだろう。
    • ところで気になるのは何故わざわざ木星を映したのかという所。1の世界は宇宙というか世界ごと創られていたと思うのだが、そもそも相転移実験で2の世界も太陽系ではない宇宙に存在していたのか?それとも2側の宇宙に1側の宇宙が引っ張られたようなのか逆なのかどちらでもないのか。
    • 世界の融合というのは宇宙全体とかではなく1,2の地球だけの話だったのだろうか。
  • 時系列はどうなっていたのか?
    • 繋がる未来で世界の融合の兆候発生
    • 2との世界との交信手段確立、ウーシアのコアを取得、オリジン建造
    • 交わりの日にオリジンは稼働したがメビウスが誕生しアイオニオン形成
    • と、ここまでは良いのだが、シュルクレックスリク達リベレイターはどうなっているのかという疑問が出て来る。特にメリアニアはラッキーセブン及びウロボロスストーンを作っており、それを受け取っているはずである。
    • だが、アイオニオン形成からゼットが即座に戦争システムを作り、最速で再生が進行したとしてもノアが少なくとも3回は成人を迎えてエヌになっているはずであり、更にそこからエヌとなったノアの息子ゴンドウがおじいちゃんになるぐらいの時間、ざっくり80~100年ぐらいが新たなる未来の時点で経っている。
    • なおかつ15年間シティーメビウスの襲撃を受けていないとの事から、アルファに対してリベレイターとゼットが一時休戦しているのはそのタイミングからという事になる。
    • 新たなる未来時点で既にメリアはオリジン内に囚われており、ニアは隠れている状態。
    • 従って
      メリアニアがラッキーセブンウロボロスストーンを作る
    • メリアが囚われてニアが隠れる
    • ゼットの戦争が始まりノアが何回か転生
    • アルファが発生、ゼットとリベレイターが引き分け休戦
    • アルファ発生から15年後ナエルがアルファと接触、エヌとなったノアがシティー襲撃しアルファとエイ分離
    • 新たなる未来のストーリー中でシュルクレックスエイはオリジンの依り代へ
    • 本編へ、となる(メリア捕縛はもしかすると戦争開始後かもしれないがゼットがオリジンの鍵を欲して女王達を狙った訳なので戦争スタートより前のような気がしている)。
    • だが、リンカのコメントからリベレイターはオリジン起動時に同化されなかった存在であると分かる(その理由については明らかにされていない、そういう役割だったのだろうと)。
    • そうするとアイオニオン形成の頃から居る事になり一体何歳なんだという話になる。
    • これについてはリクも寿命どうなっているの問題がある事から、静止した世界であるアイオニオン同様、リベレイター達は一律で時が流れていないと考えるのが無難に思える。
    • 同化されなかっただけでアイオニオン世界にはぽっと出て来た説も無くはない。そうするとタイミング的にはアルファ出現前ぐらいがちょうど15年なのでそれぐらいかなあと。

 

ゼノブレイドの新たなる未来を感じるシナリオ

DLC配信前からコメントのあったゼノブレイドシリーズの未来が見えて来る物語であるという話や、そもそもの新たなる未来(なお英名はFuture Redeemed)というタイトルから、前日譚だというのに何を以て未来の話をするのか?というのはかなり気になっていた。そしてクリアして思うのは、なるほどそういう意味だったのか、と。正直な所、よっぽど3より3していたというか3に求めていた1,2を繋いでシリーズの未来へという雰囲気がかなりあった。最終的にはここまでゼノブレイドシリーズあるいはゼノシリーズをプレイして良かったなと思えるすっきりとした感覚。

新たなる未来とは

ではまずゼノブレイド3にとっての新たなる未来とは何だったのかについて。これはメビウスと共闘してでもアルファを止め、アイオニオンを一旦は存続させる事で未来の可能性に託す、要するにノア達本編へのバトンを渡すという意味での新たなる未来だったと思っている。前日譚でありながら、トリニティプロセッサーの最後の一つという事でなんならゼットよりもラスボスらしいラスボスで、その行動原理もゼノブレイドシリーズらしい。それでいてシュルクレックス達の退場も鮮やかで綺麗にまとまっており、結局微妙にぼかされていたオリジン起動後の世界も若干見せてくれた。3で見たかったものがとことん詰め込まれており、どう考えても3本編でやって欲しかったのだが、それをやると完全に新規お断りになってしまうのでそこまで踏み込んだ事をやるのはDLCという事だったのだろう。

次にゼノブレイドシリーズの未来とはどういう意味だったのかという話は、ほぼ例のラジオに詰め込まれていると考えて良いだろう。オリジンに取り込まれてラスダンかな?と思ったら未来的な街並みで非常に驚いたのだが、それ以上にラジオの内容に気を取られてナエルの話を聞いていられなかったプレイヤーは筆者だけでは無いはず。地球種汎移民計画、フィラデルフィア級(はピンとこなかったが調べるとエルドリッジの型名らしい)、サルワートルにディミトリユーリエフ。追い打ちのようにヴェクターロゴ。ゼノシリーズを遊んだ事があればいずれも聞き覚えのあるワードである。本編のストーリーは過去の古きものとして切り捨てるのではなく、頭お花畑だろうが全て救ってみせる、そして未来に託すという展開だった。ストーリー的にはラジオの内容も、ラジオという”古い”通信手段も、アルファに取って切り捨てられる(かつての人々が切り捨てた)側の古きものを表しており、その表現としてだけ見るならわざわざ固有名詞を出さずとも良かったはずである。これらを踏まえれば、今後のゼノブレイドシリーズの新たなる未来として、過去のゼノシリーズを切り捨てるのではなく、それらを踏まえた上で、あるいは絡めた上でやっていくというメッセージではないだろうか。スタッフロールにはバンナムの名もあり、大きな理由が無ければ、前作のKOSMOSのような出演でもないのにわざわざ許諾を取ってヴェクターロゴを使うとは思えない。また、エンディング曲はまさかのジョアンヌホッグで、これが無意味であるとは思えない(光田康典 YasunoriMitsuda on Twitter: "ゼノギアス、ゼノサーガ エピソード1からのゼノブレイド3で再びジョアンヌに歌ってもらいました。その意味はとても深いものがあります。いつかお話できる時期が来れば。" / Twitter)。ラストの融合した地球(あえてロストエルサレムと書くべきか?)に落ちていく飛翔物も今後の展開の匂わせと思われる。そういった意味でゼノブレイドシリーズの未来だったのかあと。実際にどんな展開がなされるのは未知数だが、今後には期待したい所。4なのかゼノ何とかなのかクロスなのかはたまたサーガのリメイクなのかギアスEP6なのか…。

 

最後に

ゼノブレイド3作の締めとして、そして何よりゼノシリーズの今後に期待が高まるDLCであった。相も変わらず大ボリュームでファンサービスにも溢れていて最高だったとしか言いようがない。謎も残ったりしたにはしたが、もしかすると後に回収されるかもしれないし、設定資料集のような物が出て来るかもしれない。なんにせよ、集大成として期待していたものがここまで綺麗にまとまって出て来たので本当に嬉しかった。1~3のムービーをダイジェスト気味に流しながらのスタッフロールは本当に終わりなんだな…と感慨深いものがあった。

サントラも注文済みなので到着が楽しみ。

…これを書き上げた頃にはGWが終わるのでメビウスになりそうなのだがゼルダが控えているので未来に進まなくてはならない。