ゲーマー回顧録

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リマスターではなく"決定版"だった~繋がる未来の感想~【ゼノブレイドDE】

先日ゼノブレイドディフィニティブエディションが発売された。

元々Wiiのソフトとして発売されたゼノブレイドのスイッチへの移植ことリマスター…ではあるのだが、追加要素変更点を考えればもはやリメイクの域である。これがリマスタードだとかリメイクとか名乗るのではなくてディフィニティブ、"決定版"と名付けられたのはプレイしてみてうなずける内容であった。

という事で今回はその辺りの感想について書いていきたい。ネタバレ配慮はしないのでプレイ済みでないなら今すぐブラウザバックしてカタログチケットを買ってゼノブレイドDEとゼノブレイド2をプレイしよう。

 

リメイクばりの変更点の数々

公式でもある程度触れられていたのだがすさまじいくらい変更、改善がなされていたので気づいた範囲でまとめると

主要キャラのモデル一新

これはリマスター初報からわかっていた事ではあったが、実機で見るとその進化に驚く。表情豊かになっているのも特徴的である。

作品ごとに安定しない男(?)ことシュルクだがだいぶいい感じになっている。ラインは動画で見た時はゴリラっぽいのでは…と思ったが実機で動かして見るとそうでもない。ダンバンは元がけっこう好みだったが今作で変更されても違和感はない。

男性陣はシュルク以外もともとそれなりだったのだが、それよりも女性陣がすごい。

何よりフィオルンはもうあの頃の面影がないくらいの幼馴染と化していた。それゆえにフィオルンのあのシーンの痛ましさが原作の比ではない。シュルクではないが思わずコントローラーを握る手に力が入ってしまった。メリアもすごい。フィオルンとのメインヒロイン争いが加速する。繋がる未来での新衣装がとてもよい。

逆にリキやノポン面々はあの頃から変わらない。作品を超えても変わらない。さすがノポン。

見た目という話で言えば、DEではファッション装備として見た目装備を決める枠がある上にこの装備条件は重装備などその辺の制限は特にないのでかなりいい要素。一度入手してしまえば所持状況問わないのもグッド。これで感動的なシーンで謎ヘルメットを被るシュルクはいなくなった。

ほとんど再録された名曲の数々

公式で少し聞けるようになっていたが、実際の所ほとんど全て(と言ってもまだ本編クリアしていないが)の曲が再録されている。改めて原作の曲を聴くと物足りないといううべきか、音がシンプルだなと感じる。アレンジ版は元の雰囲気を壊さない程よい具合のパワーアップ。特にアレンジ版がいいなと感じたのは行く手を阻む者。敵との対峙はだいぶ雰囲気が変わっていてオリジナル以上にボーカル主張が大きめなので好みが分かれそう。ちなみにオプションからアレンジオリジナルはいつでも切り替えできる。フィールドと戦闘曲それぞれ切り替えが個別なのがまた良いところ。

ちなみにコレクターズエディションには繋がる未来の新曲含む計20曲収録。サントラ出すのかな…。出さないのではと思ってコレクターズ購入したのだが果たして。

ところで全体的に音量が低めのような気がするのだが気のせいだろうか。

完全一新のUI

ゼノブレイドシリーズと言えば毎度のごとく圧倒的物量を詰め込んでくるので必然的にUIに関して色々言われがちだが、今作は今までを踏まえてかとても分かりやすくなっている。こればっかりは実際にプレイしてみるほかないのだが、個人的に印象的なのは装備品周りの見やすさやソートの充実だろうか。

さすがに原作のその辺りを全て覚えている訳ではないので実は元々そうだった可能性も無くはないのだが…。それにしてもメニュー周りはデザインから一新されており見やすい。改めて見ると装備品やアイテムのフレーバーテキストやら何やら本当に膨大である。

6/5追記

アーツの説明文も変更されているものがあった。気づいたものを挙げると明鏡止水の効果で、元が素早さ50%アップだったのが命中回避率50%アップになっていた。弱体化でもしたのかと思って当時のwikiを見ると、どうやら元々表記がミスで固定で素早さ50アップだったとの事。加えて命中回避率の計算では素早さの値がそのまま使われるので結局の所表記が正しくなっただけである。探せば他にも表記修正された部分はありそうである。

ちなみに素早さ上昇が固定値だったのはこれを機に知った。粋の境地明鏡止水で素早さ2、300超えて最強とか考えていたのだがどうやらそんな事は無かったらしい…。という事は相対的に粋の境地で明鏡止水するより服着てジェム積んで明鏡止水した方が強いという事である。逆に脱ぐなら他の火力オーラやアーツを積むべきか。

膨大なお使い含むクエスト群の分かりやすさ

ただ敵を討伐したりアイテムを集めるだけという正真正銘のお使いクエストから、ストーリーが存在し様々に派生していくものまで膨大な数が存在するサブクエスト。これらをこなして世界に浸るのはいいのだが、問題はそれぞれのクエストの対象のわかりにくさ、報告受注の際の住人の行動時間…とwiki片手にプレイしたくなるものもあった事は否めない。

DEではクエストの一覧からナビゲートを受けたいものを選べば討伐対象から採集対象のフィールドアイテム、果ては住人や目的地までマークはおろか道案内までしてくれる親切設計。ここまで親切でいいのかと思わなくもないが、冷静に考えてクロマメレバーを求めて何時間もランニングはしたくないのでこれでいいと思う(ただし肝心の復興はナビゲート対象外。なぜ…)。特に敵のドロップアイテム集めなんかでどれを倒せばドロップするんだよとかフィールドアイテムどこだよとかよくあるお悩みもよかった、これで解決ですね。

本当にさくさく進むので全てのクエストをこなす勢いで進めている。

あのシーンをもう一度なムービーシアター

2で導入されていたムービーシアターがDEでも導入された。何がすごいかと言えば天候時間をいじれるのは勿論、ファッション装備を個別に設定した上で見れるのである。ネタ装備も初期装備も思いのまま。

これに加えて更にDEで素晴らしいのがキズナトークの見返し機能である。原作ではキズナトークは一回切りだったため、別の選択肢の結果を見たり見返すにはセーブロード必須だったのだが今作ではムービーシアターから全て見返せる。

上級者モードことレベル調整

2ではクエストの経験値スタック、クリア後のレベル調整といった形で導入されたシステムがDEにも導入された。

1はとにかく戦闘におけるレベル補正が激しいのでクエストやら探索やらをやりすぎると本編がヌルゲーになっていまいちシナリオの緊張感が味わえないという問題があったが、これでだいぶよくなったと感じる。感覚としてはクエストを全てこなす勢いで敵を倒したりしていると適正レベルになる感じ。上がり過ぎたら下げて、敵が強過ぎたらスタック分で戻してでちょうどよい。

 

とだいたいこのぐらいだろうか。本当に手が入ってない所を探す方が難しい。気づいていない変更点もかなりありそうである。

全体的にとにかく遊びやすくなっていてなおかつグラフィックやサウンド面の強化もすごいのでだいたい新作の気分で遊んでいる。何故リマスターではないかと最初は疑問に思ったりもしたが、これほど手が加えられていてるとなると確かにこれは"決定版"だと感じた。

 

無難にまとまった後日談~繋がる未来~

繋がる未来はDEでの追加シナリオとして本編の一年後を描くという事で実装された。

繋がる、というワードやアルヴィースのあの強調もあってクロスや2との関連を押し出すシナリオもあるかと思っていたがそんな事はなかった。ボリュームはクエスト全部(多分)やって13時間ぐらい。

そもそもなぜメリアがメインに押し出されていたか考えてみると、後日談という事で描くにあたって、

・ハイエンターという訳アリ種族の皇太子

・本編での救いがあまりにない(これを言うとダンバンカルナなんかも…

とその後が気になるポジションという事だろうか。しかし、コレクターズエディション特典のコメントを見るとメリアがフォーカスされている事について『それは単なる追加シナリオではなく“未来への布石”だからです』とある。これが意味する所とは…。

 

思った以上にメリアメインのシナリオで、まさかのタルコ登場やそのトークまで準備されている事に驚いた。終盤見れるようになる二つのトークは何故繋がる未来本編でやらないのか謎になるレベル。思い返してみるとかなり複雑な関係の姉妹(?)であったがそれゆえにそのわだかまりを超えてのエンディングは感動的だった。かつての対立。そもそもの出自や母の遺志といった事に縛られていたタルコ。それでも唯一の家族として同じハイエンターを継ぐものとして共に歩んで欲しいと願うメリア。書きながらストーリーを振り返るとメリアメインである以上にタルコ救済の意味もあったのだなと思う。

ノポン二人組はリキの子供という事で、その辺りの話も聞けるのだが登場していないのにリキの株が上がる不思議。シリアスになり過ぎない癒しポジション。

シュルクはメリアメインというのもあって割と一歩引いた位置という感じだった。ところであのモナドREXはやっぱり意識してるファンサービスなのだろうか?改のデザインは天の聖杯っぽさがすごい。メリアとのトークでプロポーズかと思うような発言もあったがそんな事はなかった。

混血主義者のいかにもなハイエンターもいたのだが正直けっこう唐突であまり印象に残らなかった。ただメリアが今後を考える上では重要なポジションだったとも言える。元々混血純血で色々あったハイエンターであり、そんな中でも生き残った皇太子として導かなければならないという自覚を与える…にしては小物感が。

 

巨神肩は位置的にはコロニー9の遥か上空にあるようでマップ紹介のアイコンから見るに脱臼(?)して肩がすっぽ抜けて皇都もそのまま、という状態。相変わらず探索の楽しいマップで、上に行ったり飛び降り…たり。いきなり上空に高レベルユニークがいてビビっていたが絡まれる事はなかった。クエストの目標地点の先にランドマークやら秘境があったりでだいぶ探索しやすい設計だったように感じる。もっともそんなの無視して走り回っていたのだけど。

 

サブクエストも充実していてどれもそこで暮らす人たちの背景が見えてきて面白かった。ポロロの好物クエストはまさかのレッドロブスター(※ゼノブレイドクロスで存在したサブクエスト。ノーヒントで街に散らばったクエストアイテムを探すクエスト。しかもシナリオ進行で数が増える。ちなみに2にも似たようなノポンコインやノポン兄弟捜索もある…)再来か?と思ったがそんな事はなかったよかった。あのお方というワードとグランデルの怪しげなノポンで何となく予想はついていたがまさかのバーン再来。今回はエナドリを売ろうとしていたあたり何とも現代的。全体スリープやら何やらデバフもりもり強いんですけど!!!

そして謎のプリン。なぜプリン。なぜあの大きさ。完全に新規モデルだと思うのだが…。

 

ノポンジャーもなかなか面白い要素だった。ノポンジャー捜索もそうだが戦闘にわらわらと参加する姿も整列して後をついてくるのも印象的。チェインアタックの代わりのあれでは唐突なゴゴールやらプテラやら、なんでもありのノポンらしいと言えばらしい。最終クエストの80のあいつは色々攻略方法はありそうだが、メリアでバリア貼れば行けるだろうと頑張っていたところ範囲転倒を2連打されておまけのブレスが来た時点で断念。大人しくヘイストダブルアタックのモナドアーマー連打で倒しましたとさ…。

ところでカラカラになったゴールドキノコって何か使い道があるのだろうか。フレーバーアイテムか。

 

それにしても気になるのは結局霧の王とあの亀裂は何だったのかという話である。最終戦直前のトークシュルクが語る新たな脅威というワード。コレクターズエディションの特典についていたソーカントクのメッセージから見るに”今後の布石”という事らしいが果たして。クロスのプラエドやサーガのグノーシスっぽいなどの声も他で見たのだが、要するに繋がる未来ではあくまでただの敵としての登場で、本筋としては今後のシリーズ展開やシリーズ間の繋がりを示唆しているのだろうか。あまりにもあっさりとした扱いだったのでこれ以上語りようがないが…。なんにせよ今後に期待したい。そろそろE3の季節(今年は無いけど)なので何かあると嬉しい。

 

繋がる未来の感想としてはこの辺り。正直一番驚いたのは原作発売から10年近く時間が経っているという事。光陰矢の如し。

 

最後に

DEで再びゼノブレイドをある意味新鮮な気持ちで遊べるのは本当に嬉しい。

この調子でゼノブレイドクロスの方もなにとぞ…。続編でもリマスターでも何でも、あれが一作で終わるのは余りにも惜しい…。

 

ところでタイトルロゴ出る場面で赤いX字が描かれるのは原作に無かった気がするのだが覚えていないだけだろうか。ゼノシリーズのシンボルとも言える赤いX。いつぞやのインタビューでゼノギアスエピソード6の構想うんぬんの話もあった事だし何かしらシリーズ展開の布石なのだろうか。