ゲーマー回顧録

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少し隠れた名作を遊んだら開いた口が塞がらなくなった【すばらしきこのせかい-Final Remix-】

今回はすばらしきこのせかい-Final Remix-をプレイしたのでその感想やら何やらについて。

すばらしきこのせかいは元々DSで2007年に発売されたソフトで、筆者が今回プレイしたのはニンテンドースイッチで2018年に発売されたFinal Remixという移植兼完全版のようなもの。調べるとスマホ移植のSolo Remixがベースのようである。

DS本家は気になっていたものの未プレイのままで今回が初のプレイとなる。

ジャンル分けするならRPGが適切であろうか。

 

概要

渋谷(と言っても2000年代の)を舞台に主人公のネクらが突如謎の死神のゲームに参加する事になり、生き残る為に7日間戦う…と、これだけを見るとなかなか物騒な内容に思えるのだが、その実王道を行くバディ物の成長物語である。そこに独特な設定や謎が絡み合い、非常に引き込まれる内容であった。

 

すばらしきこのせかいのどこを勧めるかと言われれば、まずこのシナリオについて挙げたいのだが、あまりネタバレもしたくないのでもし気になっていたら面白さは筆者が保証するのでプレイしてみて欲しい。

早々にタイトル回収となるが、1週しただけでは開いた口が塞がらなくなる事間違いなしの展開が待っている。その後やりこむ事で詳細な世界観が判明していく。

 

元がDSのタイトルという事もあり、タッチの操作がメインなのだが、スイッチでは携帯モードでのタッチやジョイコンのジャイロを用いたポインティングで行う。

慣れの問題だとは思うがジャイロ操作は癖が有る。おすそ分けによる二人プレイ(戦闘)もでき、何なら一人でジョイコンを二つ操作する事も可能(可能ではあるが現実的かと言われると相当高いイマジネーションを要求される)。

 

シナリオも良いのだが、何よりプレイヤーを惹きつける最大の要素はBGMであろう。

 

渋谷に普段行かなくても渋谷で聞こえてきそうと感じるBGM

舞台が現代の渋谷という事もあり、その設定に合わせたBGMな訳だが、どれも素晴らしい。ジャンルは様々で、見出しの通り渋谷で聞こえてきそうな現代ミュージック。テンポの良い曲がコミック調の絵柄やシナリオ全体の雰囲気に見事にかみ合っている。

ほとんどがボーカル入りの曲というのも珍しい点である。ボーカルがゲームの邪魔になるかと言われれば全くそんな事は無く、むしろその逆で、テンションを上げてくれること間違い無し。

 

アレンジ曲が多いのも特徴で、DS版のオリジナルからかなり曲数は増えている。普段流れる曲がボス戦や重要なイベントではアレンジバージョンで流れるといったニクい展開も多々。

中でもアレンジ数の多い主要曲のTwisterは、全部把握しきれていないが5バージョン前後存在。

アレンジ版とオリジナル版の曲は切り替えが出来るようになっているのはいい仕様。違いを聴き比べてみるのも良いだろう。また、ゲーム内アイテムとしてCDが入手でき、メニュー画面でそれぞれの曲が聴ける。

 

筆者のお気に入りをいくつか挙げると

・Someday(いくつかアレンジがあるのでどれとも決めがたい)

オーパーツ~Give me a chance~(これはアレンジ版、終盤のボス戦などで使われるのだがハマり具合が素晴らしい)

・Twister(これもアレンジがかなり多いので一つに絞りにくい)

・Three Minutes Clapping

・Give me all your love(オリジナル版) 

・Hybrid(日本語ボーカルと英語ボーカルの二種があるのだがどちらも良い)

 

この記事執筆時点(2019/3)ではFinal Remixのサントラは未発売。移植タイトルなので過去のサントラに入っている曲が大半だが、後述するA NEW DAYで使われる曲は恐らく収録されたものが無い。

 

では次に今作Final Remixでの追加要素A NEW DAYについて。ここからA NEW DAYのネタバレを含むので注意して欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

タイトル回収は一度とは限らない追加要素(?)

メディア等でもけっこう宣伝されてた追加要素、A NEW DAY。公式の紹介をそのまま引用すると

 

”今まで語られることのなかった物語の核心に迫る”

 

とある。

クリアした今なら言えるが完全に大嘘である。

 

舞台は本編終了後、ネクとビイトの元に新たな死神ココが現れどこか異様な渋谷で死神ゲームハードモードに挑む…といった形(調べて分かったのだがココは完全に新規の死神ではなく、スマホ版の特殊ショップ店員をやっていたり、ソシャゲのナビゲーターをやっていたりしたらしい)。物語の核心に迫るなどという宣伝文句なのだからきっと本編のシークレットレポートに更に踏み込んだような内容が展開されるのかと期待していた。

 

しかし、本編で明らかになっていなかった事が明かされるとかそういった事は全く無く、これを一言で表すなら次回作の予告編である。

 

終盤で異様な渋谷のネタバラシがされるのだが、それはココが作り出した存在。そこへネクらを連れてきた理由も明かされない。追加シナリオ途中途中に挟まれていた意味深な謎のメッセージ、謎の少女については追加情報は何もなし。

それどころかラストでネクは再び死亡、次のゲームにネクが必要だの不必要だの、新宿でインバージョン発生だのと唐突に謎のやり取りが交わされるが、そこで追加シナリオは終了。

最後に謎の少女と渋谷が写る一枚絵が出されるだけである。

開いた口が塞がらないとはまさしくこの事。

 

ゼノクロを思い出したぐらいである。(注:ゼノクロはエンディング後に考察しようにも情報量が足りない最大級の謎を入れてきた)

 

前述したように、次回作か何かへの導入部を描いただけであり、物語の核心に迫るとは何だったのかと言わざるを得ない。

なお次回作の情報は記事執筆現在(2019/3)特に無い。物語の核心に迫るというのが大嘘だったのは置いておいても、次回作が確定しているからこのような内容にした…のでなければとんでもない話である。次回作のプロローグとしてならいい出来。

少し隠れた名作だからこそあまり炎上しなかったのだろうか…。

追記:結局続編が発表された。このA NEW DAYの伏線が回収されるのかは未だ謎。

 

散々な言いようではあるが、A NEW DAYで追加されたBGM、バッジはどれもいいいものであった。

BGMは全体的にアレンジが成されたものが使われており、普段とどこか違う渋谷にぴったり。

バッジは単純に集めるのもそうだが、効果も本編に無い物があったりで戦闘に幅が出る。

 

最後に

すばらしきこのせかい自体は非常に面白かった。それだけにA NEW DAYへの期待がプレイしていく内に高まっていたのでがっかりした結果となった。

がっかりはしたのだが続編が出るというならそれはそれで楽しみなので、ゼノクロの時のように続編を期待しながら待つ事にする。

A NEW DAYもつまらないとかそういう訳では無い(投げっぱなしなだけで)ので、ここまで読んでしまった未プレイの人もぜひ本編含めプレイして欲しい。

 

 

雑記

前回の更新からえらい間隔があいてしまった。書きたい内容はいくつかあるのだが執筆に至らないので書く習慣は大事である。