ゲーマー回顧録

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ゼノブレイド2【クリア後の感想】

総プレイ約100時間、レアブレイド収集は残り7体の時点でストーリーをクリア。今回はクリア後のプレイ感想を書いて行きたい。評価やレビューというよりプレイの振り返り感想である。なお当然ながらこの記事はクリティカルなネタバレを大量に含むので未プレイ未クリアの方は閲覧非推奨というか禁止。もし購入検討でレビュー的なものを求めている場合はこちらのファーストインプレッションをどうぞ。

gamermemoirs.hatenablog.com

 

2/10追記:アップデートでいくつか改善されたのでその辺り

 

5/27追記:サントラが発売されたので改めてサウンドについての感想をこちらに。

 

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間違いなくゼノシリーズであり、ゼノブレイド2 である

今作を語る上でシナリオの素晴らしさはマストであろう。クロスの後だったので不安はあったがとんだ杞憂であった。それら全てについて書くとナナコオリフラジオレットが終わるどころかおにぎり100個作れるので特に印象に残った章をピックアップ。

1章

序盤から飛ばしてきたのは驚いた。地球が破壊されたり故郷が焼かれたり、そして今回は主人公が刺されて死亡するという衝撃。ホムラが封印されていた場所での邂逅はもう接触者とゾハルにしか見えなかった(が、あながち間違ってはいなかったと後にわかる)。この章に限らないがドライバーとブレイドの殺陣はとてもカッコよく、そこに合わせて流れるcounter attack!との噛み合いは感動モノ。章自体は短いものの様々に伏線を張り巡らせ、これからの展開が楽しみで仕方なくなる冒頭であった。

3章

ヒカリお披露目の章、であると同時にヴァンダムさん退場の章でもある。今作のボーカル曲の一つであるdrifting soulが初登場するのもここなのだが、ヴァンダムさんの「お前の戦を戦えー!!」と合わせて涙無しでは見れなかった。短いながらもレックスの師として生き方を教え、最後には彼を護る為に散る。シタン先生やダンバンさんとはまた違うカッコよさを持った大人であった。そしてヴァンダムの死からヒカリの登場。「ヒカリのエネルギー源はエーテルではない」や「因果律予測」の文字には興奮せざるを得まい(もっとも後半の説明と合わせるとエネルギー源についてはスレイブジェネレータ的な意味というよりはデバイスの事を指していたと考える方が妥当である)。ここで今作が"ゼノ"ブレイド"2"であるという事を確信した(後にその確信は衝撃へと変わる)。因果律予測を見た時、未来視システム続投かと思ったがさすがにそこまでは無かった。

7章

ニアのブレイド化に続きレックス覚醒とと盛り上がる展開が畳み掛ける。3章が序盤の山場なら中盤の山場はここであろう。

レックスが挫けるシーンから始まる冒頭部。年齢等を考えても相当強いメンタルだがさすがにあれでは折れてしまうだろう。6章終わりにて、己の無力さを痛感させられただけでなく、パートナーであると同時に旅の目的でもあるホムラの事を何も理解出来ていなかった事への自責。ヴァンダムやカスミの死を目前にしてもなんとか立ち直って来たレックスがズタボロになるのは見ているこちらが苦しくなる程である。そこへ女性陣の追い討ちというか叱咤激励が…。厳しい言葉ではあるがホムラ側の気持ちを代弁出来るのは彼女達だけだろう。立ち直りにそこそこ使うのかと思ったが、可能性があるとわかるとすぐに行動を起こす。レックスらしくもあり、何よりプレイヤー側としても落ち込んだ状態が続くよりはいい。

…それにしてもあのダンジョン構成といいボスといいアデルさん性格悪すぎである。

「「「ワース*n」」」」「レグス」

結局湧きが終わる限界まで影を倒し続けたとさ。

それはさておきニアが過去をさらけ出し、ブレイドとして仲間になるのは驚きであった。6章で露骨にニアがただのグーラ人でない事は見せてくるが、筆者が鈍いだけで、思い返せばそこまでに結構伏線を張っていたのだった(レックスとの出会い、ヴァンダムの死、温泉など)。ここのシーンはニアの告白もそうだが、個人的に好きなのはメレフジークの背中合わせである。他の場面でもこの2人がイベントシーンでタッグのように戦うシーンはあるが、レックス達を見守る大人勢としての良さが詰まっていると感じた。

そしてモルスの断崖で明らかにされるメツの"モナド"。あれを見た瞬間は思わず声が出た。ファンサービスのレベルを超えている。モナドジェイル使わせて。

極めつけはレックスの覚醒と第3の剣。圧倒的戦闘力差を見せつけられてなお立ち向かい、思いをぶつけるあのシーン。あれだけの啖呵を切れる少年が他にどこにいるというのか。声優の演技も素晴らしく、今作屈指の名シーンである。プネウマの能力から読み取れるゾハル的な何か、さらに続けてセイレーンとサーペントの一騎討ちもゼノらしさを感じ、前述の展開も合わせてとにかく興奮しっぱなしであった。

10章

アルストのネタばらしにメツとの決戦、そして最高のエンディングともう全てが素晴らしい。

冒頭の宇宙ステーション的なシーンから流れるプロフェッサークラウスの名前。そして現れる"彼"の姿とかつて見たあのやり取り。今作が明らかにゼノブレイドの続編で、2つが繋がった瞬間の衝撃はとてつもなく大きかった。発売前のインタビューにて前作との直接的な関わりはないと言っていたのは何だったのか。

神から直接語られる”アルストの”創世やブレイドの存在理由。それら全てに設定付けがされていたのは何ともこのシリーズらしい。

真実を超えた先に待つはラスボスとして登場するメツ。シュルクの声が聞こえてくるシーンはラスボス戦をさらに盛り上げる。最後には世界の破壊を望むというよりかはレックス達に相対する者としてむしろ止めて欲しい、という雰囲気が感じられたのはなかなか深い。戦闘後のもしもレックスがメツのドライバーだったら…という発言から色々と妄想が捗ってしまうのは筆者だけではないはず(気色悪い事を言うな…)。

ラストはプネウマとレックス達の別れ。まさか8章での約束がこんな形で回収されるとは…。あの流れといい、EDテーマOne last youの歌詞といい、ある意味ずるいと言わざるを得ない。あれで泣くなと言う方が難しい。とにかくこれでもかと言わんばかりに盛り込んできたEDであった。後日談のような形でホムラヒカリは復活するのかと思っていたが想像以上に早い復活で正直驚いた。あれで戻って来ないような終わり方だと間違いなくその後のプレイに支障をきたすので多少ご都合的でもあれがベストだと断言出来る。ストーリー中の話から言って復活可能なのは予想出来たが、そうとわかった上での別れは茶番かと言われればそうではない。復活までの時間やその確実性は不明なわけであり、生きている間に再開出来るかも、記憶を残したまま戻れるかも定かではなかったのだ。そういった点から考えても最初にレックスではなく、別れの際にある意味では一番辛い思いをしたハナが二人に飛びつくのはいい演出であった。なんだかんだ(そのなんだかんだが重いのだが)ありつつも最後は大団円なのがこのシリーズのいいところだと個人的に思う。総じてとにかく真っ直ぐで熱く、だれる事なく最後まで駆け抜けられる今作のストーリーは素晴らしかった。記事を書く際にエンディングを見直してしばらく執筆が中断されたのは内緒。

 

ここまで散々褒めちぎったが気になった部分がなかったわけでもなく。疑問に思った場面の大半はクリア後に振り返ってみると他で補完されていたり、その背景が想像出来たりしたが、ターキン料理団への襲撃やら突然ぶちこまれる下ネタなどもう少しどうにかならなかったのかと困惑せざるを得ない部分もあった。その辺を差し引いてもお釣りどころか儲かるぐらいには全体として良かったので大した問題ではないのだが。

見出しとしてゼノとゼノブレイドを強調したわけだが、その理由は綺麗に一つのシナリオとしてまとめながらシリーズを感じさせられたというところにある。ホムラヒカリとレックスの関係性、過去の戦争による遺恨と現在の繋がり、外に答えを、神を求めてしまったマルベーニなど上げれば様々だが、ゼノギアスのような雰囲気を感じる場面が多々あった。加えてゾハル的な何かも登場し、筆者としてはもう裏ゼノギアス状態である。ボーイミーツガール&ジュブナイルと言いながらも期待通りしっかりSFしてきた辺りは完全にこのシリーズの系譜であると言えよう。そして何よりゼノブレイド1の補完をしつつ前作をプレイした人は更に盛り上がれるというサプライズ。もしも前作を遊んでいない人はこれを機にぜひプレイして欲しいし(wiiwii unew3dsでプレイ可能)、前作を遊んだ人なら絶対に今作もプレイすべきである。逆にここまで綺麗に完結すると今後のハードルが上がるというもの。こっちがきちんとまとまったので次はクロスをですね…。

 

一作で終わらせるには惜しいブレイドシステム

今作の目玉の一つでもあろうブレイドはその収集、育成や探索、そして戦闘においても楽しさの一環を担っている。

入手をゲーム内ガチャ方式にする事により人それぞれ違う手駒でどう進めていくかというソシャゲライクな楽しみ方は独特で面白かった。それでいてコモンも十分に使い勝手がいいので戦闘面では全く困らないというバランスはすごいところだと思う。それぞれ固有のスキルを持っていたり、そのモーションも多種多様なため、色々なブレイドを使いたくなる。属性と武器の組み合わせが重要な戦闘のため手持ちのブレイドと同調したドライバーから編成を考えるのも楽しいものである。

かなりの数のイラストレーターと声優が使われているレアブレイド達だが、モデリングの進化により(?)どれも元のテイストを失うことなく一つの絵にまとまっている。声優については詳しくないがどこかで見たことがあるような名前が並び、レアブレイド毎のコンテンツも含めその辺のソシャゲより豪華である。レアブレイドはそれぞれにキズナトーク、クエストが用意されてあり、加えて各種場面(クエスト、戦闘などなど)でのボイスと圧倒的な物量を誇る。特にこのボイスがとてつもないもので、ロケーション発見時などはともかく、特定のブレイド、ドライバーの組み合わせで聞ける掛け合いが存在するのでこれを網羅するにはとてつもない労力を要するだろう。

いい意味でも悪い意味でもこの物量は圧倒的で、悪いところを挙げるなら繰り返し系の回数の多さである。ナナコオリフラジオレットなんかはよく話題に上がる気がするが、ムスビのおむすびのような料理系も相当な回数を求められる。恐らくよっぽどやりこむ人以外はキズナリングコンプリートをせいぜい数人との想定なのかもしれないが、さすがに単調を極める作業をここまでの回数こなさせるのはいかがなものかと。そしてレアブレイドコンプリートを目指そうとすると途端に厳しくなるのも忘れられない。これは推測でしかないが、ブレイド同調は半ボックスガチャのようなもので、レアブレイドが当選するとそれ以降そのレアブレイドが当たるはずの確率としてコモンが割り当てられ、終盤になればなるほどレアブレイドの当選率が下がる。そのためコンプリートするにはひたすらスマッシュしてコアクリスタルを割る作業をするはめに。せめて連続同調や複数リリースが出来れば楽だったのだが…。もしくはコアクリスタルn個でレアブレイド確定と交換のような救済が欲しかったと感じる。コモンにしても厳選するような遊び方を想定はしているようなので、同調周りは改善して欲しいところ。継続してアップデートする予定はあるようなので期待。

2/10追記

ver.1.3.0アップデートにてブレイドのロック機能追加、同調スキップ機能追加、ソート種類追加となんだかほぼ全部解決されてしまった。もう一つ前のバージョンでボイススキップも追加されているため信頼度上げもリリースも楽々と欲しかったものがだいたい揃った。大量にコア割りしないとレアブレイドコンプが難しいのは相変わらずだが、コモン厳選も同時にしやすくなったという意味でまずまず。アンケートにも書いたがやはり要望等をある程度形にして表明する事は大事なのかもしれない。

 

せっかくなのでここで個人的に好きなレアブレイドを紹介したい。

1.ハナ

ストーリーで必ず仲間になるという野暮な突っ込みはなしである。トラ一家の技術(と欲望)がつまった人工ブレイド。ストーリーでもホムラヒカリのメインヒロインに負けず劣らずの活躍を見せるばかりか美味しいところもあったり何かと出番が多い。ロボ娘というだけで大好物なのだが変形してそのフォームを変えたり、カスタマイズで最強を目指せたりととにかく最高としかいいようがない。JDのジャッジメントスペシャルは必殺技モーションの中で一番だと思う。最近気づいたのだが、4章でキクからエーテル炉を起動してもらう前後でボイスの抑揚が全く違うのである。序盤の機械チックな少し冷めた感じもいいが後半のロボットとは思えない感情豊かな感じもいい…。ハナ自身もそうなのだが、トラとの関係もかなり好きである。しかしトラハナの良さについて書くと料理と織物とお菓子が各50個出来上がるのでこの辺にとどめる。

2.ミクマリセオリ

エストから派生して仲間に出来る二人のブレイド。そのクエスト、キズナトークブレイドという設定をうまく生かしており、他のレアブレイド達と一線を画す出来の良さ。二人を同じドライバーに同調し、スイッチさせるか、それとも別のドライバーに同調させて同時に戦わせるか迷うところである。何より忘れられないのはセオリコア入手時のクエストボス。3人同時の刀ドライバーというだけで強いのに更にスパイクを持つ。シュベスターリベリオンが聞こえてきた時の絶望感はこのゲームNO.1間違いなし。

3.コスモス

結局最後に出たレアブレイドロボ娘という(以下略

 

訪れる度に新たな発見のあるフィールド

すっかり定番となった広大なフィールド。広さもさることながら気になる場所には必ずと言っていい程宝箱やらフィールドスキルで探索できるもの、ロケーションなどがあり、その風景も素晴らしく歩いているだけでも飽きない。前作にも増してフィールドの密度は高まっており、その立体的な構造はなかなか他に類を見ないものである。スペルビアの秘境を発見した時は余りの無茶苦茶さに感動した。

フィールドスキルの存在はブレイドの育成のモチベーションになっていいのだが、その入れ替えが面倒だったりでこれまた改善して欲しいところの一つである。コレクションアイテムも出る場所が決まっているため収集が楽になったが、これまたスキル発動時にいちいちカットインが出て面倒なので非表示オプションのようなものが欲しかった。

広大なフィールドだけに探索は大変なのだが、サブクエストやブレイドキズナリングの対象として様々な地点が指定されるので、そちらを進める内にマップも埋まり、いい具合にシステム同士がかみ合っている。

そして何より一番いいのはロードが速い。有り得ないぐらいに速い。速すぎてアップデート前はエラーを起こすほどである。あっちこっちを巡る場面が多いが、移動が全く苦にならないというの非常に重要な所だと思う。

 

上がったハードルを飛び越えるBGM

今作を語る上で外せないのはBGMだろう。前作も名を冠する者たちや敵との対峙など名曲揃いであったが、今作もその質と言いボリュームといい半端ではない。

まず戦闘曲の多さは他にはないだろう。通常戦闘もそうだが、ボスの専用曲、ユニークモンスター戦の曲も複数あり、その一つ一つが印象に残る。戦闘曲で好きなのはジーク戦とユニーク戦である。ジークが敵として現れる時のギャグっぽい雰囲気と雷轟の名前通りのカッコよさがマッチしている(大ボスでもないのに専用曲を貰う優遇度合い)。ユニーク曲は二種類ある。片方は名を冠する者たちを意識したような雰囲気がありながらも爽やかで格上への挑戦にぴったりな曲調である。もう片方はイントロから不穏な感じでユニークから逃走する場面が想起されるが、曲が進むにつれテンションが上がる作りなのはまさしくユニーク曲らしい。

フィールド曲も素晴らしいものが多く、フィールドを歩きながらつい聴き入ってしまう。お気に入りを挙げるならスペルビアの昼、ルクスリアの昼と世界樹である。語彙力不足によりあまりいい説明は出来ないが、一度聞くともうこの曲しかないと思えてしまう。世界樹はラスダンらしくメインテーマの旋律が含まれた曲で、ついに来るところまで来てしまったという雰囲気を盛り上げてくれる。

そして何より今作で一番はイベント曲。ストーリーの部分でも書いたが、とにかく展開とのかみ合いが最高である。counter attackはまさしく反撃というにふさわしい曲、場面で流れ、その転調タイミングまでもがカットシーンにぴったりなのは素晴らしいとしか言いようがない。これに対してdrifting soulが流れる場面はキャラクターにとってもプレイヤーにとってもなかなか辛い場面で流れ、ダイレクトに感情を揺さぶる。そしてEDテーマのOne last youは歌詞とEDが合わさり画面が見えなくなる。このボーカル2曲は雰囲気といい流れる場面といいとにかくプレイヤーにダイレクトアタックをかます。曲名はわからないがラストでプネウマとの別れのシーンなどで流れる曲もかなり好きである。

総曲数120にもなるとの事だが、どれもいい曲ばかりなのは本当にすごいとしか言いようがない。前作のBGMが素晴らしかっただけに期待もしていたが、それを遥かに飛び越えて行った。

そしてフィギュア発売もいいのだが早くサントラ下さい。

 

終わりに

長々と書いたが詰まるところ最高でした。以上です。システム面での不満点は多少あれどアップデートに期待したい。何が恐ろしいってこれがハードの1年目に出てきた事である。2017年は豊作過ぎませんかね…。